卒園記念イベントは、目的を「達成体験型・共有型・記念型」のどれを主軸にするか決め、実施時期・対象・場所・職員配置・予算の出どころの5条件を先に固めると、無理のない規模を判断しやすいとされています。
この記事でわかること
- 卒園式・お別れ会との目的と主役の違いの整理
- 企画前に決めたい実施時期や職員配置など5つの条件
- 制作系・体験系・記録系に分けた企画アイデア8選
- 準備期間・費用感・保護者参加の可否で比較する視点
年長児の卒園が近づくと、「最後にこの子たちらしい思い出を残してあげたい」と考える園も多いのではないでしょうか。一方で、日々の保育と行事準備を並行して進める現場では、どこまでの規模なら無理なく実現できるのか、保護者にどこまで関わってもらうのか、費用はどう捻出するのかといった判断が悩ましいところです。卒園式そのものとは別に「卒園記念イベント」を企画する場合、目的が曖昧なまま進めると、準備だけが膨らんで職員の負担になってしまうこともあります。
この記事では、保育園の園長・主任保育士の方に向けて、卒園記念イベントの企画を準備期間・費用感・保護者参加の可否という3つの軸で整理し、具体的なアイデアを比較できる形でまとめました。あわせて、写真撮影や個人情報の取り扱いなど実務上の注意点、外部講師に依頼する場合の考え方と費用の目安についても解説します。園の規模や職員体制に合わせて、無理なく実現できる企画を選ぶ手がかりにしてください。
卒園記念イベントを企画する前に整理したい「目的」と「条件」
卒園記念イベントの企画が進まない原因の多くは、アイデア不足ではなく「何のために行うのか」が決まっていないことにあります。目的が曖昧なまま候補を並べると、職員間で判断軸がそろわず、準備が年明けに集中してしまいがちです。まずは卒園式・お別れ会との役割の違いを整理し、そのうえで実施条件を先に固めると、規模の判断が一気にしやすくなります。
卒園式・お別れ会との違いを整理する
3つはいずれも年度末に行われますが、主役と目的が異なります。重なりを把握しておくと、内容の重複や職員の負担集中を避けられます。
| 行事 | 主な目的 | 主役・進行 |
|---|---|---|
| 卒園式 | 修了を公的に祝う儀式 | 園が進行。保護者は参列者 |
| お別れ会 | 在園児を含めた見送り・交流 | 在園児が中心に企画することも |
| 卒園記念イベント | 達成体験・共有・記念品づくり | 年長児が主体的に関わる |
保育所保育指針には「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として、協同性や思考力の芽生え、豊かな感性と表現などが示されています。卒園前の取り組みをこうした視点と結びつけて整理しておくと、保護者や職員への説明がしやすくなるでしょう。
目的を3タイプに分けて考える
- 達成体験型:子どもたちが協力して一つのものを完成させる。「できた」という手応えを残すことをねらいとするタイプ。
- 共有型:保護者を招き、成長した姿を見てもらう。発表や親子での共同作業が中心になります。
- 記念型:制作物・写真・アルバムなど、形に残るものを作る。卒園後も振り返れることが価値になります。
3タイプは排他ではなく、「どれを主軸にするか」を決めることが重要です。主軸が決まれば、所要時間・保護者参加の可否・予算規模の判断が連動して定まります。
企画前に決めておく5つの条件
- 実施時期:1〜3月は生活発表会・進級準備・卒園式準備が重なります。卒園式の2〜4週間前など、職員の手が空く週を先に押さえます。
- 対象:年長児のみで行うか、異年齢で実施するか。異年齢にすると交流の場になる一方、進行役の職員が追加で必要になります。
- 場所:遊戯室・保育室・園庭・園外。保護者が参加する場合は人数分のスペースと動線、雨天時の代替案も併せて検討します。
- 職員配置:進行・安全管理・写真撮影・受付を分担できるか。足りない場合は外部講師や保護者会の協力を前提に組み立てます。
- 予算の出どころ:園予算/保護者会費/実費徴収のいずれか。実費徴収は年度当初の説明や同意の有無が関わるため、早めに事務方と確認しておくと安心です。
この5点が決まると、「半日がかりの大がかりな企画」か「1時間で完結する活動」かという規模感が自然に絞られます。逆に条件が未確定のままアイデアを広げると、後から時間や予算の制約で差し戻しになりやすいため、企画会議の最初の議題に据えるのがおすすめです。なお、通常の年長向け体験イベントの季節別アイデアと重ならないかも、年間計画と並べて確認しておくとよいでしょう。
年長児の卒園記念、園に合う進め方は?
3つの質問に答えると、単発イベントと継続クラスのどちらから始めるかが見えます(約30秒)
質問 1 / 3
外部講師に依頼したい目的は?
当てはまる方を選んでください
質問 2 / 3
職員が準備にかけられる時間は?
当てはまる方を選んでください
質問 3 / 3
予算の考え方に近いのは?
当てはまる方を選んでください
診断結果:まずは単発イベントで試す進め方がおすすめです
卒園記念は、単発イベントとして一度取り入れる形が合いそうです。講師が教材や機材を持参する形式なら、職員の準備を抑えながら当日の進行を任せやすくなります。共同制作にすれば作品を展示でき、卒園式や進級式まで思い出を共有する形にもつなげられます。費用は1.5〜2.5万円〜が目安です(内容・人数により異なります)。希望時期・会場・保護者参加の可否を添えてご相談ください。
診断結果:継続クラスで年間を通して定着させる進め方がおすすめです
年長児の活動として続けたい園には、継続クラスが合いそうです。月1回などの頻度で積み重ねると、子どもが相談したり試行錯誤したりする時間を確保しやすく、卒園記念の共同制作も日々の活動の延長として取り組みやすくなります。費用は1回1万円〜が目安です(内容・回数により異なります)。年間行事予定や職員体制、会場の条件をお知らせいただければ、無理のない回数をご提案します。
定番から体験型まで|卒園記念イベントの企画アイデア8選
卒園記念イベントの企画は、「形に残すもの」「その日しか味わえない体験」「振り返りの記録」のどれを重視するかで方向性が変わります。ここでは制作系・体験系・記録系の3つに分類し、ねらい・当日の流れ・準備の負担感を整理しました。費用の比較は次のセクションの一覧表で扱いますので、まずは園の雰囲気や年長児の人数に合うかどうかで候補を絞ってみてください。

| 分類 | 主なねらい | 向いている園 |
|---|---|---|
| 制作系 | 形に残す・協力する経験 | 保護者参加や展示をしたい園 |
| 体験系 | 当日の驚きと達成感 | 非日常の思い出を重視する園 |
| 記録系 | 1年間の振り返り・贈り物 | 卒園式と合わせて見せたい園 |
制作系|みんなで形に残す
- 共同制作(壁面・モザイクアート):クラス全員で1つの大きな作品をつくります。1人1パーツを担当して最後に合体させる流れにすると、協力してやり遂げる経験になると考えられています。乾燥時間や設置場所の確保が必要で、準備の負担はやや大きめです。
- 手形・足形アート:絵の具で手形を押し、木や花の形に構成します。当日の所要時間は30分程度と短く、年少児にも展開しやすい一方、汚れ対策と着替えの準備は必須です。
- タイムカプセル:将来の自分への手紙や絵を缶に入れ、保護者に預けるか園で保管します。制作そのものは軽負担ですが、「誰が・いつまで・どこで保管するか」を文書で決めておくことが大切です。
体験系|その日だけの非日常をつくる
- プログラミング体験:ブロックで作った作品を動かす、簡単な命令で動かすなどの体験。外部講師に依頼すれば機材・教材を持参してもらえるため、職員の準備負担を抑えやすいのが特徴です。年長向けの体験イベントの季節別アイデアも企画の参考になります。
- 科学遊び(サイエンスショー):空気砲やシャボン玉など、見て驚く要素が強い企画。ホール全体で一斉に実施でき、人数が多い園でも成立します。
- クッキング(おやつづくり):デコレーションなど火を使わない工程に絞ると安全です。アレルギー対応と衛生管理の確認に時間がかかる点は見込んでおきましょう。
- ミニ運動会・お別れ遠足:年中児と一緒に行えば、世代を超えた交流の場にもなります。雨天時の代替案を必ず用意しておきます。
記録系|1年間を振り返る
- 思い出ムービー:日常の写真を編集して卒園式前後に上映。素材集めと編集に職員の時間がかかるため、早めの着手が鍵です。
- 卒園アルバム・園内スタンプラリー:アルバムは外注と内製で負担が大きく変わります。スタンプラリーは園内の思い出の場所を巡る企画で、準備は比較的軽く当日の盛り上がりもつくりやすい形式です。
迷ったときは「職員が準備にかけられる時間」から逆算して候補を絞ると、当日の運営に余裕が生まれます。
8つの候補が出そろったら、次は準備期間・費用感・保護者参加の可否という具体的な条件で比較していきます。
準備期間・費用感・保護者参加の可否で比較する一覧表
卒園記念イベントの企画は、アイデアの魅力だけで決めると現場が疲弊します。判断材料になるのは「準備にどれくらいの期間が必要か」「保護者が参加しやすいか」「費用がどこにかかるか」の3点です。ここでは代表的な企画を同じ軸で並べ、園の状況に合わせて選べるよう整理します。
企画別の比較一覧
| 企画内容 | 準備期間の目安 | 保護者参加のしやすさ |
|---|---|---|
| 卒園共同制作(壁面・モザイクアート) | 1〜2か月〜 | 完成品を展示する形なら参加なしでも成立。制作日に招く形も可 |
| タイムカプセル | 2週間〜1か月〜 | 保管の同意や将来の連絡先確認が必要で、保護者の協力が前提 |
| 思い出ムービー上映 | 1〜2か月〜(写真選定に時間がかかる) | 上映会形式にすれば参加しやすい。公開範囲の説明は必須 |
| クッキング(おやつづくり) | 2週間〜1か月〜 | アレルギー対応の負担が大きく、保護者参加はやや調整が必要 |
| ミニ運動会・親子競技 | 1か月〜 | 参加しやすいが、会場確保と雨天時の代替案が必要 |
| 外部講師を招く体験イベント | 1〜2か月〜(日程調整を含む) | 見学形式にしやすく、参加・不参加の両対応がしやすい |
| レゴ®ブロックの共同制作 | 1か月〜(機材持参型なら園の準備は少なめ) | 作品発表の時間を設ければ保護者参加型にしやすい |
| 園内スタンプラリー | 2週間〜 | 園内完結のため参加なしで実施しやすい |
費用はどこにかかるか
費用は大きく「園内完結型」と「外部依頼型」に分かれます。前者は画用紙・木材・写真プリントなどの材料費が中心で、職員の人件費(準備にかかる時間)が実質的なコストになります。後者は講師費用が発生する代わりに、企画立案・教材準備・当日進行の負担を外部に預けられます。
| タイプ | 主な費用 | 向いている園 |
|---|---|---|
| 園内完結型 | 材料費中心(+職員の準備工数) | 職員に余力があり、行事の手づくり感を大切にしたい園 |
| 外部講師依頼型 | 単発イベント1.5〜2.5万円〜(目安/内容・地域により異なる) | 人手が限られ、特別感のある体験を一度で成立させたい園 |
金額は内容・人数・地域によって変わるため、見積もり時に「教材・機材の持参範囲」「交通費の扱い」「雨天や欠席時の対応」まで確認しておくと後の行き違いを防げます。保育園の課外教室 導入手順と事業者選定チェックリストの考え方は、単発イベントの依頼時にもそのまま応用できます。
優先順位の決め方
- まず職員の手が空く時期を確定し、そこから逆算して準備期間が収まる企画に絞る
- 年度末は個人記録の作成・進級準備と重なるため、2月以降に新規の大型企画を立てない
- 保護者参加を前提にするなら、年間行事予定の配布時点で日程を告知しておく
- 材料費が園予算か保護者負担かを、企画決定より前に確認する
- 雨天・感染症流行時の代替案を、企画と同時に1つ用意しておく
準備期間の長さと職員の負担はほぼ比例します。規模の大きさではなく「子どもが主役になれるか」を基準に選ぶほうが、記憶に残る卒園記念になります。
比較表は、職員会議で候補を絞る際のたたき台としてそのまま使えます。候補を2〜3案に絞ってから詳細を詰めると、議論が長引かずに済みます。
かんたん診断年長児の卒園記念、園に合う進め方は?30秒でチェック
レゴ®ブロックを使った「みんなでつくる卒園制作」という選択肢
卒園記念イベントの企画で「形に残るもの」と「当日の体験」を両立させたい場合、レゴ®ブロックを使った共同制作型のプログラムが選択肢になります。ブロックは完成形が一つに決まらないため、同じテーマでも子どもごとに表現が変わり、作品そのものが卒園の記録になります。なお、これはレゴ社公式のプログラムではなく、レゴ®ブロックを教材として活用した独自カリキュラムという位置づけです。

テーマ例|園の思い出とつながる題材にする
- 園舎をみんなでつくる…保育室・園庭・玄関などをグループごとに分担し、最後に合体させて一つの園をつくる
- 将来の街づくり…「大きくなったら住みたい街」をテーマに、お店・乗り物・公園などを自由に制作する
- 思い出の一場面の再現…運動会、遠足、お泊まり保育など、一年間の行事の場面をジオラマのように表現する
- みんなの「ありがとう」の形…卒園にあたって感謝を伝えたい相手や場所をモチーフにする
当日の進め方(目安60〜90分)
- テーマ決め…全体でテーマを共有し、何をつくるか言葉で出し合う(5〜10分)
- グループ分け…4〜6人程度の小グループに分け、担当する場所やパーツを決める
- 制作…グループごとに相談しながら組み立てる。途中で作り直す時間も見込んでおく
- 発表…グループごとに「工夫したところ」を一言ずつ話す
- 展示・撮影…全体を合体させて記念撮影、その後、卒園式や進級式まで展示する
手先の発達や経験に差があっても、「土台をつくる」「屋根をつける」「飾りを選ぶ」といった役割に分けられるため、一人ひとりが参加しやすいのが共同制作の利点です。友だちと相談しながら協力してやり遂げる経験になると考えられていますし、思いどおりに組めないときの試行錯誤を通じて考える力が育まれるとされています。学年差のある場での進め方は異年齢交流の活動の工夫も参考になります。
完成品を卒園式や進級式の会場に展示できると、イベントが「当日限り」で終わらず、在園児や保護者と共有できる園の資産になります。
保護者参観型にする場合の3つの形
保護者に参加してもらうかどうかで、必要な広さ・人手・所要時間が変わります。園の規模や会場に合わせて選びます。
| 形式 | 進め方 | 向いている園・注意点 |
|---|---|---|
| 親子ペア制作 | 親子1組で1作品をつくり、最後に全体で合体させる | 保護者の満足度が高い一方、欠席家庭へのフォロー(職員がペアに入る等)が必要 |
| 見学のみ | 子どもだけで制作し、保護者は外周で見守る・撮影する | 準備が最も軽い。子ども同士のやりとりが見えるが、会場に動線の確保が必要 |
| 発表会形式 | 事前の保育時間で制作し、当日は発表と展示のみ行う | 当日の所要時間が短い。制作を複数回に分けられるため年長児の負担が軽い |
企画時のチェックポイント
- ブロックは園備品か、講師持参か(持参なら数量と片付けの分担を事前確認)
- 作品を「持ち帰る」のか「展示後に解体する」のかを、事前に保護者へ伝えておく
- 展示期間と置き場所(触られない高さ・落下防止)を決めておく
- 小さなパーツがあるため、未満児クラスが立ち入らない動線にする
- 作品写真をおたよりやアルバムに使う場合の掲載可否を確認しておく
制作そのものを目的にせず、「どんな姿を残したいか」から題材を選ぶと、園の保育方針と一貫した卒園記念イベントになります。
写真撮影・個人情報・安全面など実務上の注意点
卒園記念イベントは、内容が決まってからが実務の本番です。当日の進行だけでなく、写真の扱い、個人情報、安全管理まで含めて事前に整理しておくと、保護者対応に追われずに済みます。ここでは園の運営として押さえておきたいチェックポイントを項目別に整理します。
写真・動画の撮影と利用範囲
卒園イベントは記念写真や動画を残す場面が多く、撮影の扱いが最もトラブルになりやすいポイントです。既に入園時に肖像使用の同意書を取っている園でも、利用範囲(園内掲示・園だより・ホームページ・SNS)ごとに同意の有無が分かれていることがあります。
- 園が撮影した写真を園だより・ホームページ・SNSに使うかを、掲載先ごとに書面で確認する
- 同意していない家庭の子が写り込む集合写真の扱い(掲載しない/加工する等)を事前に決めておく
- 保護者が撮影した写真・動画について、「他児が写ったものはSNSに投稿しない」など園のルールを当日の冒頭と事前のおたよりで二重に周知する
- 外部講師やカメラマンが撮影する場合、撮影データの提供範囲と講師側の広報利用の可否を契約・打ち合わせ段階で確認する
- 撮影可能な時間帯・立ち位置を決め、進行の妨げや子どもの前に保護者が集中する状況を避ける
個人情報と制作物の取り扱い
- 制作物や記念品に氏名を入れる場合、フルネームか下の名前のみかを統一する(展示・写真公開を想定するなら下の名前が無難)
- タイムカプセルに手紙を入れる場合は、保管場所・保管期間・開封時期・返却方法を文書で保護者に示す
- 長期保管する場合、担当者が異動しても引き継げるよう、保管リストと連絡先の更新ルールを決めておく
- 連絡先名簿を卒園後も使う場合は利用目的を明示し、同意のない共有は行わない
アレルギー・衛生・安全面
クッキング系やブロック・工作系など、内容によって必要な配慮は変わります。
- 調理を伴う場合は、原材料表示の確認、代替メニューの用意、調理器具の分離、当日の体調確認を徹底する
- 小さなパーツを扱う活動では、誤飲や踏みつけによるけがを防ぐため、床に落ちたパーツを拾う役割の職員を決めておく
- 年少児や下のきょうだいが同席する場合は、パーツに触れないエリア分けを行う
- はさみ・接着剤など用具を使う活動は、人数に対する職員配置を事前に数字で決める(グループ単位で担当を固定すると動きやすい)
- 救急用品の場所、けが発生時の連絡経路を当日の職員全員で共有する
欠席児・途中入園児への配慮
- 当日欠席した子の作品や記念品をどう扱うか(後日制作する/職員が代わりに仕上げる)をあらかじめ決める
- 年度途中に入園した子が参加しにくい内容(入園時からの成長記録を使う等)になっていないか見直す
- 写真集やアルバムに、全員が同程度に登場しているかを完成前に確認する
外部講師を入れる場合の打ち合わせ項目
外部に依頼する場合は、内容の打ち合わせに加えて当日の運営面をすり合わせておくと安心です。保育園の課外教室の導入手順と同様に、確認項目をリスト化して共有するのが確実です。
- 当日の動線(搬入・準備・片付けの時間と使用スペース)
- 職員の役割分担(進行補助・写真・トイレ誘導・安全管理の担当者)
- 必要な設備(机の数、電源、プロジェクター、水道の有無)
- 雨天時・感染症流行時の代替案と、延期・中止の判断期限
- 保険の加入状況とけが発生時の対応窓口
同意の取り方は園ごとに既存の様式や運用があります。新しく書面を作るより、入園時の同意書で足りるのか、追加の確認が必要なのかを早めに整理しておくほうが、現場の負担は小さくなります。
イベントの中身を固める前に、これらの実務項目を一枚のチェックリストにまとめておくと、職員間の認識のずれを防ぎやすくなります。
外部講師に依頼する場合の進め方と費用の考え方
卒園記念イベントを職員だけで企画・準備しようとすると、年度末の繁忙期と重なり負担が集中しがちです。日常の保育・行事準備・要録作成が並行する時期だからこそ、内容の一部を外部講師に委ねるという選択肢も検討の余地があります。ここでは、園内完結型との違い、依頼時に伝えるべき情報、費用の考え方を整理します。
園内完結型と外部講師依頼型の違い
| 園内完結型 | 外部講師依頼型 |
|---|---|
| 費用を抑えやすく、子どもの実態を熟知した職員が進行できる | 教材・機材を持参してもらえ、職員の準備工数を圧縮しやすい |
| 企画・教材準備・リハーサルの工数が職員に集中しやすい | 費用が発生し、日程調整や事前打ち合わせの時間が必要 |
| 内容が例年の踏襲になりやすく、マンネリ化しやすい | 園では扱いにくい専門的な体験(プログラミング等)を取り入れやすい |
| 当日の役割分担を園内で完結できる | 当日も職員の補助が前提。丸投げにはならない点に留意 |
どちらが優れているというものではなく、「今年度の職員体制で無理なく実施できるか」を基準に選ぶのが現実的です。
依頼前に整理し、伝えておきたい情報
問い合わせの段階で以下が整理されていると、見積もりや内容提案がスムーズになります。
- 対象年齢と参加人数(年長のみか、異年齢混合か。クラス単位か学年合同か)
- 所要時間(45分、60分など。前後の準備・片付け時間も含めて共有)
- 会場の広さと設備(遊戯室かホールか、机の有無、電源・プロジェクターの使用可否)
- 当日補助に入れる職員の人数(グループ分けの単位を決める材料になります)
- イベントのねらい(記念制作を残したいのか、体験そのものを楽しむのか)
- 保護者参加の有無(観覧のみか、親子一緒に取り組むか。人数が倍近くなるため早めに共有)
- 撮影・記録の方針(園の広報利用、講師側の使用可否)
特に「保護者参加の有無」と「会場の広さ」は、プログラムの組み立てを大きく左右します。問い合わせの最初の段階で伝えておくと、後からの大幅な変更を避けられます。
費用の考え方
外部講師に依頼する場合の費用は、内容・時間・人数・地域によって変わります。弊社の出張レッスン「コトコレクション」の場合、目安として単発イベントは1.5〜2.5万円〜、年間を通じた継続クラスは1回1万円〜としています。いずれも内容や地域により異なる目安であり、実施形態に応じて個別にご相談いただく形です。予算を検討する際は、講師費用のほかに会場設営の人件費や記念品・写真代など園側で発生する費用も合わせて見積もっておくと、理事会や保護者会への説明がしやすくなります。
単発イベントから継続クラスへ広げる考え方
卒園記念という「単発」から始め、翌年度に年中・年長向けの継続クラスとして組み込む進め方もあります。単発で子どもたちの反応や会場運用の課題を確認したうえで判断できるため、いきなり年間契約を結ぶより導入のハードルが低くなります。導入手順をより詳しく知りたい場合は、保育園の課外教室 導入手順も参考にしてください。
また、こうした出張レッスンは保育園・幼稚園に限らず、放課後等デイサービス・児童発達支援・学童保育・放課後児童クラブ・放課後子ども教室でも実施できます。なお、放課後等デイサービスや児童発達支援は障害福祉サービスであるため、外部講師による活動が特定の療育効果をもたらすと断定することはできません。報酬や加算の取り扱い、制度上の要件については、こども家庭庁や自治体が公表する公的資料および指定権者への確認に基づいて判断していただく必要があります。事業所としての支援方針と整合するか、活動のねらいを支援計画のどこに位置づけるかを、事前に施設側で整理しておくことをおすすめします。
かんたん診断年長児の卒園記念、園に合う進め方は?30秒でチェック
まとめ|卒園記念イベントは「子どもが主役になれるか」で選ぶ
卒園記念イベントは、園にとって一年の締めくくりであると同時に、子どもたちが「自分はここで大きくなった」と実感できる場でもあります。企画が豪華かどうかより、当日その子が手を動かし、考え、誰かに見せられる場面があるかという視点で選ぶと、園の規模や予算にかかわらず満足度の高い行事になりやすいと考えられます。ここまでの流れを、実務の順番で整理しておきます。
企画を決めるまでの5ステップ
- 目的を1つに絞る…思い出づくり、成長の可視化、保護者への感謝、地域への発信のどれを主軸にするかを職員間で合意する。
- 条件を書き出す…対象人数、使えるホール・保育室、保護者参加の可否、職員の配置可能人数、予算の上限を先に確定する。
- 企画案を2〜3つに絞る…定番の制作・発表・体験型から、条件に収まるものだけを候補に残す。
- 準備期間と工数を見積もる…通常保育と並行できるか、材料の発注や練習時間を逆算する。
- 実務上の確認をする…写真・動画の利用範囲、アレルギーや安全面、当日の動線と雨天時の代替案を決める。
判断に迷ったときの視点
| 重視したいこと | 向いている企画の方向性 |
|---|---|
| 子ども一人ひとりの成長を見せたい | 個人制作+発表の時間を組み合わせる |
| クラスの一体感を残したい | 共同制作・みんなで完成させる作品 |
| 職員の準備負担を抑えたい | 機材・教材を持参する外部講師の単発イベント |
| 保護者に園の特色を伝えたい | 保護者参観型・作品展示をセットにする |
準備期間・費用・保護者参加の可否は、企画を決めてから調整するより、決める前に上限を定めておくほうが結果的に現場の負担が軽くなります。
外部の力を借りるという選択
職員だけで完結させることにこだわらず、外部講師を一部だけ組み込む方法も現実的です。機材や教材を持参してもらえれば、園側の準備は会場設営と当日の見守りが中心になります。依頼時は、対象年齢・所要時間・必要な広さ・雨天時の扱い・キャンセル規定を見積もり段階で文書化しておくと、当日の行き違いを防げます。園全体の設計を見直したい場合は、保育園の課外教室 導入手順の考え方も参考になります。
SCCIP JAPANでは、保育園・幼稚園・学童保育・放課後児童クラブ・放課後子ども教室・放課後等デイサービス・児童発達支援などの施設向けに、レゴ®ブロックを使ったプログラミング・ロボティクスの出張レッスン「コトコレクション」をご用意しています。講師が機材・教材を持参するため、卒園記念の単発イベント1回からのご相談も可能です(単発イベントは1.5〜2.5万円〜、継続クラスは1回1万円〜が目安で、内容・人数により異なります)。また保護者の方には、年少〜小学4年生程度を対象とした全国13教室の少人数制クラスで体験教室もご案内しています。ご関心があれば、お問い合わせフォームよりお気軽にご相談ください。
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