児童発達支援の遊びは、暦年齢ではなく「今できていること」を起点に、難易度・関わりの量・活動時間の3つの軸で調整することが基本とされています。1つの遊びを段階に分解すれば、新しいネタを探さずに幅を広げられます。
この記事でわかること
- 活動ネタの数より発達段階への合わせ方を優先する理由
- 難易度・関わりの量・活動時間という調整できる3つの軸
- 感覚・探索遊びから協同遊びまで5段階の遊び例と配慮点
- 注視の持続や模倣など、段階の見極めで観察したい観点
児童発達支援の現場では、「今日はどんな活動にしよう」「同じ遊びばかりになっていないか」と頭を悩ませる場面があるのではないでしょうか。活動ネタを探していても、実際に大切なのはネタの数そのものよりも、目の前の子ども一人ひとりの発達段階に遊びをどう合わせるかという視点です。同じ遊具・同じ教材でも、提示の仕方や難易度の調整次第で、子どもにとって「できた」になるか「わからない」で終わるかが変わってきます。
この記事では、児童発達支援事業所の運営者・管理者の方に向けて、発達段階に応じた遊びの選び方を表で整理しながら、支援の5領域との関係、記録・振り返りの進め方、難易度調整のしやすいブロック遊びの活用例までを順に解説します。障害福祉サービスという性質上、特定の遊びが発達を保証するような書き方は避け、公的資料で確認できる範囲の制度記述と、現場で実践しやすい配慮点に絞ってまとめました。活動の見直しやスタッフ間の共通認識づくりの材料としてご活用ください。
なぜ「活動ネタ探し」より「発達段階への合わせ方」が先なのか
「活動のネタが尽きた」「毎回同じ遊びになってしまう」。児童発達支援の現場で、こうした悩みを抱える事業所もあるのではないでしょうか。しかし、少し立ち止まって状況を整理すると、本当の課題はネタの数ではなく、同じグループの中に発達段階の幅が大きくあることに起因している場合があります。同じ活動を提示しても、ある子には難しすぎ、別の子には物足りない。その結果「この活動は失敗だった」と感じ、新しいネタを探しに行く──という循環が起きやすいのです。
合っていない遊びで起きやすいこと
遊びの難易度と子どもの今の力がずれているとき、現場では次のような様子が観察されることがあります。あくまで傾向であり、原因は一つに特定できませんが、活動を見直す手がかりにはなります。
| ずれの方向 | 観察されやすい様子 | 調整の方向 |
|---|---|---|
| 難しすぎる | 離席、拒否、かんしゃく、他児への手出し、黙って固まる | 工程を減らす/見本を示す/職員が一緒に行う |
| 簡単すぎる | 早く終わって手持ち無沙汰、ふざけ始める、途中で興味が切れる | 条件を足す/役割を与える/量や時間を増やす |
| おおむね合っている | 自分で手を動かす、職員に見せに来る、もう一回と言う | その水準を記録し、次回の起点にする |
「発達段階に合わせる」とは年齢で区切ることではない
発達段階に合わせると聞くと、3歳はこれ、5歳はこれ、と年齢で活動を割り振るイメージを持たれがちです。しかし児童発達支援で必要なのは、暦年齢ではなくその子が今できていることを起点に、少し先の一歩を用意するという考え方です。いわゆるスモールステップの起点は、年齢表ではなく日々の観察記録の中にあります。「ハサミは直線なら切れる」「2語文で要求が出る」「順番を5分なら待てる」といった具体的な事実が、そのまま次の活動設計の材料になります。
活動ネタを増やす前に、いま手元にある遊びを何段階に分解できるかを考える。1つの遊びを3段階に分けられれば、持ちネタは実質3倍になります。
活動設計で調整できる3つの軸
同じ遊びを子どもに合わせて調整するとき、動かせる要素は大きく3つに整理できます。
- 難易度……工程数、見本の有無、選択肢の数、完成形の自由度を上下させる
- 関わりの量……職員が手を添える/隣で言葉かけする/遠くから見守る、と段階的に減らしていく
- 活動時間……集中が続く長さに合わせて短く区切る、終わりを目に見える形で示す
この3軸で考えると、「新しい活動を探す」のではなく「いつもの活動の設定を変える」という選択肢が生まれます。ブロック遊びの支援のねらいの立て方のように、一つの素材を多段階で使う発想が役立つ場面も多いはずです。
ガイドラインが求めているのも「個に応じた調整」
厚生労働省が示し、現在はこども家庭庁が所管する児童発達支援ガイドラインでは、子ども一人ひとりの発達の状況や特性、家庭の状況等を踏まえた支援を行うことが基本的な考え方として示されています。つまり制度の側も、画一的な活動の実施ではなく、個々に応じた調整を前提としています。報酬や加算の要件は改定のたびに変わるため、詳細は必ず最新の公的資料で確認が必要ですが、活動を個別化する視点そのものは、支援の土台として位置づけられていると理解しておくとよいでしょう。
次のセクションでは、発達段階ごとに遊びをどう選び、どこに配慮するかを早見表の形で整理します。
発達段階に合わせた活動、次の一手は?
3つの質問に答えると、貴事業所に合う導入の進め方がわかります(約30秒)
質問 1 / 3
外部講師の活用経験はありますか
当てはまる方を選んでください
質問 2 / 3
職員間での活動設計の共有状況は?
当てはまる方を選んでください
質問 3 / 3
予算の決め方に近いのはどちら?
当てはまる方を選んでください
診断結果:単発イベントでの体験からがおすすめです
まずは単発のレッスンで、子どもたちの反応と職員の動きやすさを確かめる進め方が合いそうです。ブロックを使った活動なら、同じ教材で難易度を変える様子をその場で見られ、記録や計画づくりのヒントにもつながります。単発イベントは1.5〜2.5万円〜が目安です(内容・人数により異なります)。報酬や加算の扱いは、所管の自治体や公的資料でご確認ください。
診断結果:継続クラスで段階的に定着させるのがおすすめです
回を重ねる前提なら、継続クラスで一人ひとりの段階に合わせた調整を積み重ねる進め方が向いています。同じ教材でも見本の示し方や人数を変えれば難易度を動かせ、観察の観点も職員間で揃えやすくなります。継続クラスは1回1万円〜が目安です(内容・回数により異なります)。報酬や加算の扱いは、所管の自治体や公的資料でご確認ください。
発達段階別・遊びの選び方早見表(段階/遊びの例/配慮点)
遊びを選ぶときの土台になるのが、「その子が今どの遊びの段階にいるか」という見立てです。ここでは感覚・探索遊びから協同遊びまでを5段階に整理し、活動の例と現場で配慮したいことを一覧にしました。年齢はあくまで目安で、個人差は大きく、同じ子でも領域によって段階が異なることが一般的です。表は「分類のための道具」であり、子どもを当てはめるためのものではない、という前提で使ってください。

| 発達段階の目安 | 遊びの例 | 配慮したいこと |
|---|---|---|
| 感覚・探索遊び(おおむね1歳前後〜) | 触る・振る・落とす・入れる、音の出る素材、水・砂・寒天などの感触遊び、穴に入れる型はめ | 素材を口に入れる可能性を前提に、誤飲サイズの小片は出さない。アレルギーや感覚過敏の有無を事前に確認し、触れない子には手袋・スプーンなど間接的に触れる手段を用意する |
| 模倣遊び(おおむね1〜2歳ごろ〜) | 手遊び、太鼓や楽器のまね、職員の動きをまねて積む・並べる、「どうぞ」のやりとり | 見本はゆっくり・大きく・1動作ずつ。言葉かけと同時に動作を見せると情報量が多くなるため、見せる→待つ→言葉を添える、の順にする。まねが出ない時は手を添える段階から |
| 見立て・ごっこ遊び(おおむね2〜3歳ごろ〜) | ままごと、お店屋さん、人形や車を使ったやりとり、ブロックを食べ物や電車に見立てる | 子どもの見立てを職員が訂正しない。役の取り合いが起きやすいため、同じ小物を複数用意する。やりとりが続かない子には職員が相手役に入り、台詞のモデルを示す |
| 構成遊び(おおむね3〜4歳ごろ〜) | 積む・並べる・つなげる、ブロックでの組み立て、作品の見立て、簡単な設計図を見て作る | 完成見本は実物・写真・手順カードなど複数の形で用意する。崩れた時の反応を想定し、作り直せる時間とスペースを残す。「何を作るか」を決められない子には選択肢を2〜3個に絞る |
| ルールのある遊び・協同遊び(おおむね4〜5歳ごろ〜) | 順番交代のゲーム、カード遊び、グループでの共同制作、役割分担のある遊び | 勝ち負けが生じる場面では、始める前に「負けても次がある」ことを伝え、終わり方を先に決めておく。悔しさの表出は否定せず、落ち着ける場所を確保。ルールは短い言葉と視覚提示で共有する |
段階の見極めで観察したいポイント
どの段階かは、できた/できないの結果ではなく、活動中の様子から読み取ります。以下は記録にも残しやすい観点です。
- 注視の持続──提示した物や人をどのくらいの時間見ていられるか
- 模倣の有無と範囲──動作をまねるか、音声をまねるか、時間が空いてからまねるか
- 見本との照合──手元の作品と見本を見比べる動きがあるか、違いに気づくか
- やりとりの形──物を手渡す、要求を伝える、相手の反応を待つなどが見られるか
- 順番を待てる時間──何秒/何分なら待てるか、待つ間に何があると待ちやすいか
- 切り替え──終わりの合図でやめられるか、予告があればやめられるか
「この段階だから、この遊びだけ」と固定しないことが大切です。構成遊びの最中に感覚的な触り心地を楽しむ場面も、協同遊びの途中で一人の見立て遊びに戻る場面も自然に起こります。段階は行き来するものとして運用します。
実際の活動では、ひとつの素材で複数の段階に対応できると準備の負担が下がります。たとえば児童発達支援のブロック遊びのねらいの立て方のように、同じ教材でも「入れる・並べる」から「見本を見て組む」「二人で一つを作る」まで段階を分けられるものは、集団の中で個々に合わせた関わりがしやすくなります。
支援の5領域と遊びをどう結びつけるか
児童発達支援ガイドラインでは、支援の内容を「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5領域に整理し、これらを総合的に捉えて支援を組み立てることが示されています。2024年度の報酬改定以降は、個別支援計画に5領域とのつながりを明記する運用が求められており、日々の遊びを「どの領域をねらった活動なのか」で説明できる状態にしておくことが実務上の前提になっています。5領域ごとの活動例と記録の着眼点を事業所内で共有しておくと、職員間の言葉が揃いやすくなります。
1つの遊びに「主」と「副次」の領域を決める
実際の遊びは、ほとんどが複数領域にまたがります。たとえば友だちとブロックで街をつくる活動は、手先の操作(運動・感覚)、見立てや順序立て(認知・行動)、やり取り(言語・コミュニケーション/人間関係・社会性)が同時に動いています。すべてを等しく記録しようとすると負担が大きく、記録も焦点がぼやけがちです。
- 主に意図する領域を1つ決め、個別支援計画の目標と対応づける
- 副次的に関わる領域を1〜2つだけ添え、観察できたら記録する
- 活動の準備メモに「主/副次」を書いておき、記録用紙にもその欄を設ける
- 同じ遊びでも、子どもによって主の領域が変わってよいと整理しておく
記録が書けないのは観察が足りないからではなく、「何を見るか」が決まっていないことが多い。活動前に主の領域と観察ポイントを1行決めておくだけで、記録の質と速度は変わります。
遊びと領域・観察ポイントの対応例
| 遊びの例 | 主に意図する領域 | 記録に残したい観察ポイント |
|---|---|---|
| ブロックの見本づくり | 認知・行動 | 見本と自分の作品を見比べたか、間違いに気づいた時の行動 |
| 2人で1つの作品をつくる | 人間関係・社会性 | 役割の分け方、順番の待ち方、相手の意見への反応 |
| 作った物の発表タイム | 言語・コミュニケーション | 話し始めるまでの時間、伝え方(言葉・指さし・提示) |
| ブロック箱の片づけ・準備 | 健康・生活 | 手順の理解、声かけの回数、最後までやりきれたか |
| 的当て・玉入れなどの粗大運動 | 運動・感覚 | 姿勢の保持、力加減の調整、音や接触への反応 |
この表はあくまで一例で、同じ活動でも目標設定によって主の領域は入れ替わります。重要なのは、職員が迷わず「今日はここを見る」と言える状態をつくることです。
保護者への説明は「遊びの意図」を言語化しておく
保護者からは「遊んでいるだけに見える」という受け止め方をされる場合もあります。遊びの意図をあらかじめ言葉にしておくと、面談や連絡帳での説明がしやすくなり、家庭との共通理解にもつながると考えられています。
- 活動名のあとに「ねらい(主の領域)」を1行添える
- その日の様子を、評価ではなく事実で短く書く(できた/できないではなく行動で)
- 家庭で似た場面があれば共有してもらい、次の計画に反映する
なお、感覚過敏や姿勢の保持が難しい子どもには、素材や時間、座る位置に配慮した関わりが推奨されています。領域に沿った活動設計は効果を保証するものではありませんが、支援の意図を揃え、記録と計画を一本の線でつなぐための実務的な土台になります。
かんたん診断発達段階に合わせた活動、次の一手は?30秒でチェック
ブロック遊びは難易度調整がしやすい──段階別の使い分け
発達段階に合わせて遊びを用意しようとすると、段階ごとに別々の教材を揃えることになり、準備も収納も負担が増えます。その点、レゴ®ブロックのようなブロック教材は、同じ教材のまま提示の仕方を変えるだけで難易度を細かく動かせるのが実務上の利点です。同じテーブルに座っていても、一人ひとりに違う難易度を設定できるため、集団活動と個別の目標を両立させやすくなります。

難易度を動かす6つの軸
ブロック遊びの難易度は、次の軸を1つずつ動かして調整します。いきなり複数を変えると、うまくいかなかったときに原因が分からなくなるため、変えるのは1回につき1つが基本です。
- 使うピースの数……10個程度に限定するか、ケースごと自由に使えるようにするか
- 色・形の種類……2色・1形に絞ると選択の負荷が下がり、種類を増やすと分類や判断の要素が増える
- 見本の示し方……実物の完成品 → 写真 → 平面の図面 → 言葉だけ、の順に抽象度が上がる
- 自由制作か課題制作か……「好きに作る」と「同じものを作る」では求められる力が異なる
- 一人制作かペア・グループ制作か……人数が増えるほど言葉でのやりとりが必要になる
- 完成の基準……本人が「できた」と決めるか、支援者が達成条件を先に示すか
難易度は「教材を替える」のではなく「提示の仕方を1段ずらす」。同じブロックで下げることも上げることもできる、という前提で活動を設計すると準備が軽くなります。
段階別の使い分け早見表
| 段階 | ブロックでの活動例 | 難易度の下げ方/上げ方 |
|---|---|---|
| 感覚・探索の段階 | 触る、容器に入れる・出す、色ごとに並べる、積んで崩す | 下げる:大きめピース2色のみ/上げる:色別に分けてから積む |
| 構成・模倣の段階 | 支援者の見本と同じ形を作る、左右対称に積む、高さを競わずに揃える | 下げる:実物の見本を横に置く/上げる:写真や図面を見て再現する |
| 表現・課題解決の段階 | 「乗り物を作る」などテーマ制作、壊れない工夫を試す | 下げる:使うピースを限定する/上げる:条件(高さ・個数)を加える |
| 協同・発表の段階 | ペアで役割分担して1つの作品を作る、作ったものを言葉で紹介する | 下げる:担当パーツを明確に分ける/上げる:相談して設計から決める |
切り替え・片付けが難しい子への配慮
ブロック遊びは没頭しやすい分、終わりの場面でつまずきが起きやすい活動でもあります。終了時のトラブルを減らす工夫を、活動の設計段階から組み込んでおきます。
- 開始時に「長い針が6になったら片付け」と終わりの基準を先に伝える
- 終了5分前・1分前に同じ言葉と同じ合図(タイマー音など)で予告する
- 崩す前に作品を写真に撮り、「残る」形にしてから片付けに移る
- 壊したくない子には、一時保管の棚や箱をあらかじめ用意しておく
- 片付けは「赤いピースだけ集めて」など、役割を小さく区切って依頼する
安全面で外せない確認
- 小さなピースは誤飲・誤嚥のリスクがあるため、年齢や口に入れる行動の有無を踏まえ、乳幼児には大きめサイズのブロックを選ぶ
- 活動前後にピース数をおおまかに確認し、床やマットの下に残っていないかを点検する
- 投げる・踏むことへの対策として、マットや低い囲いで制作エリアを区切る
- 特定の感触や音が苦手な子には、別素材のブロックや個別スペースを用意する
ねらいの立て方や記録の観点までまとめて整理したい場合は、児童発達支援のブロック遊びにおける支援のねらいの立て方もあわせて確認すると、活動設計がつながりやすくなります。
活動を回すための準備・記録・振り返りの実務
発達段階に合わせた遊びは、担当するスタッフの経験や勘に頼ると質がばらつきやすくなります。「あの職員がいる日はうまく回るが、いない日は同じ活動が成立しない」という状態を避けるには、計画・共有・記録・振り返りを小さな仕組みにしておくことが有効です。ここでは、日々の業務の中で無理なく続けられる範囲の実務を整理します。
活動計画シートに入れたい項目
A4一枚で収まる程度の様式で十分です。大切なのは「段階別の調整案をあらかじめ書いておく」ことで、当日の判断を減らせる点にあります。
- ねらい:何を育てたいかを一文で(例:見本を見て同じ形を作る/順番を待つ)
- 段階別の調整案A・B・C:A=見本のまま、B=パーツ数や工程を減らす、C=完成品に1〜2個足すだけ、のように難易度を3段階で用意
- 必要な準備物:教材、見本、写真カード、タイマー、マットなど数量まで記載
- 想定されるつまずきと対応:崩れて泣く→予備の見本を用意、途中離席→戻る場所を決めておく
- 終わり方:片付けの合図、作品を残すか崩すかの扱い
5分ミーティングで「誰にどの段階か」を共有する
活動前の短い打ち合わせで、子どもごとに提示する段階をすり合わせておくと、当日のスタッフ間の判断が揃います。運用例は次の通りです。
| タイミング | 確認する内容 |
|---|---|
| 活動前(5分) | 今日のねらい/誰にA・B・Cのどれを提示するか/声かけ担当と全体担当の役割 |
| 活動中 | 段階を下げた子・上げた子をメモに一言残す |
| 活動後(5分) | 想定と違った点、次回の調整案を一行で共有 |
記録は「できた/できない」で終わらせない
記録を二択で残すと、次回に活かせる情報がほとんど残りません。どの支援があればできたかを段階で書き分けると、そのまま次回の難易度設定の材料になります。
| 支援の段階 | 記録の書き方の例 |
|---|---|
| 手添え | 職員が手を添えて接続。力の入れ方は自分で調整していた |
| 言葉かけ | 「次は赤だね」の声かけで最後まで進められた |
| 見本提示 | 写真の見本を横に置くと自分で進められた |
| 支援なし | 提示だけで完成。次回は工程を一つ増やしてよい |
記録は子どもの評価ではなく、次回の難易度設定のためのメモです。「言葉かけがあればできた」が残っていれば、次回は見本提示だけに減らす、という具体的な一手が決まります。
保護者への共有と安全・衛生のチェック
写真や作品は、口頭の説明を補う材料になります。「集中して取り組めました」だけでなく、写真を見せながら「ここは見本を見て自分で選びました」と伝えると、家庭での関わりの手がかりにもなります。作品を持ち帰る場合は、崩れた際の対応をあらかじめ伝えておくと行き違いを防げます。より詳しい伝え方は保護者面談での記録の伝え方も参考になります。
- 小さなパーツは数を数えて出し入れし、終了時に員数確認をする
- 口に入れる可能性がある児には、サイズの大きい教材に差し替える
- 教材は使用後に拭き取り・乾燥を行い、担当と頻度を決めておく
- 床に落ちたパーツは踏むと転倒につながるため、活動中もこまめに回収する
- 破損・欠損した教材は使用を止め、補充リストに記載する
いずれも特別な手間ではありませんが、様式と担当を決めておくことで、誰が入っても同じ水準で活動を回しやすくなります。
かんたん診断発達段階に合わせた活動、次の一手は?30秒でチェック
まとめ|発達段階に合わせた遊びづくりと、外部プログラムの活用
ここまで、児童発達支援における遊びと発達段階の合わせ方を、早見表・5領域との結びつけ・ブロック遊びの難易度調整・記録と振り返りの実務という順で整理してきました。最後に要点を再確認し、自事業所だけで活動の幅を広げにくい場合の選択肢にも触れます。
この記事の要点
- 新しい活動ネタを増やすより先に、手持ちの遊びを段階に合わせて調整するほうが、職員の負担が少なく定着しやすいと考えられます。
- 発達段階の目安はあくまで目安であり、同じ年齢でも興味・感覚の特性・経験には大きな個人差があります。目の前の子どもの様子を優先して調整します。
- 活動のねらいは児童発達支援の5領域と結びつけ、記録の着眼点をそろえておくと、個別支援計画や保護者面談にそのままつながります。
- ブロック遊びのように一つの教材で難易度を上下できる活動は、集団の中で個々の段階差に対応しやすい素材です。
- 調整の判断を担当者の勘に任せず、事前の準備メモ・記録様式・振り返りの時間を仕組みとして決めておくと、属人化を防ぎやすくなります。
「ネタが足りない」と感じたときほど、増やすのではなく一つの遊びを段階別に三通りに分けてみるところから始めると、職員間で共有しやすい形になります。
外部プログラムという選択肢
とはいえ、職員の人数や準備時間には限りがあります。新しい教材の研究や段階別の教材づくりまで手が回らない場合は、外部の出張プログラムを部分的に取り入れる方法もあります。
SCCIP JAPANの施設向け出張レッスン「コトコレクション」では、講師がレゴ®ブロックなどの機材・教材を持参して訪問します。教材の準備や片付けを外部に任せられるぶん、当日はスタッフが子ども一人ひとりの様子の観察に集中しやすくなる点も、現場では使いやすい要素です。継続クラスとして定期的に組み込む形と、年間行事の一コマやお楽しみ会の単発イベントとして入れる形の両方に対応しています。
| 形式 | 使い方の例 | 料金の目安 |
|---|---|---|
| 継続クラス | 月1〜2回などの定期活動として組み込む | 1回10,000円〜 |
| 単発イベント | 長期休みの特別活動、年間行事の一コマ | 15,000〜25,000円〜 |
上記はあくまで目安で、実際の金額は内容・回数・人数・地域などにより異なります。導入を検討される場合は、まずは現在の活動の課題や対象児の様子をお聞かせいただいたうえで、ご相談ください。
児童発達支援事業所向けの出張レッスン「コトコレクション」について、活動内容や費用のご相談を受け付けています。年間計画への組み込み方も含めて、お気軽にお問い合わせください。
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