株式会社 SCCIP JAPAN

放課後等デイサービスの運営者向けに、活動内容に関する保護者からの要望への対応手順を解説。傾聴・記録・個別支援計画との整合・説明の流れと、活動の選択肢を広げる出張プログラムの考え方を整理します。

放課後等デイサービスで保護者からの要望に対応する流れと活動の工夫

保護者からの要望は「傾聴→記録→個別支援計画との整合確認→説明と合意形成」の4ステップで対応すると、職員間で進め方を共有しやすくなります。要望はクレームではなく支援の質を点検する情報として受け取ることが出発点とされています。

この記事でわかること

  • 活動内容・送迎・関わり方など要望を5つの類型で整理する視点
  • 送迎時・連絡帳・面談・電話など場面ごとに適した聞き取り方
  • 否定しない、その場で約束しない、個人で抱え込まない初期対応の3原則
  • マンネリ化対策として外部プログラムで活動の選択肢を広げる考え方

放課後等デイサービスを運営していると、「もっと運動を取り入れてほしい」「宿題の時間を増やしてほしい」「この子に合う活動をもっと考えてほしい」といった、活動内容に関する保護者からの要望を受け取る場面があります。どれも子どもを思う気持ちから出た言葉である一方、職員体制や個別支援計画との兼ね合いもあり、すぐに応えられないものも少なくありません。対応に迷う場面があるのではないでしょうか。

この記事では、放課後等デイサービスにおける保護者からの要望への向き合い方を、傾聴 → 記録 → 個別支援計画との整合 → 説明という4つのステップで整理します。あわせて、要望の背景にある「活動のマンネリ化」への打ち手として、外部プログラムを活用して活動の選択肢を広げる考え方も中立的に紹介します。なお、障害福祉サービスである以上、特定の活動が療育上の効果を必ずもたらすといった断定は避け、制度面は公的資料で確認できる範囲にとどめて記載します。

放課後等デイサービスに寄せられる保護者の要望にはどんな傾向があるか

放課後等デイサービスを運営していると、送迎時や連絡帳、面談の場で保護者からさまざまな要望が寄せられます。「もっと体を動かしてほしい」「宿題を見てほしい」「友達とのトラブルの様子を詳しく教えてほしい」——内容は事業所ごとに違っても、要望が出ること自体はどの事業所にも共通して起こります。要望はクレームではなく、支援の質を点検するための情報として受け取ることが、対応の出発点になります。

要望を5つの類型に整理する

場当たり的に対応すると職員ごとの回答がぶれ、かえって不信につながります。まずは寄せられる声を類型で整理し、背景にある保護者の関心と、事業所側で確認すべき点をセットで押さえておくと判断が速くなります。

要望の種類 背景にある保護者の関心 事業所側で確認したい点
活動内容(運動・学習・制作・ICTなど) 家庭や学校で苦手が目立つ、好きなことを伸ばしたい 個別支援計画のねらいとの関係、職員体制で実施可能か
送迎・利用時間 就労状況や家族の事情、きょうだいの予定 送迎ルート、運営規程・契約内容、他利用者への影響
職員の関わり方(声かけ・介助の程度) 家庭での対応との差、本人の自立への不安 支援方針の統一度、記録に残る実際の関わり方
情報共有の頻度・内容 事業所での様子が見えないことへの不安 連絡帳の記載量、面談頻度、伝える情報の粒度
他児との関係・トラブル 安全面、本人が嫌がっていないかの心配 発生時の記録、席やグループ編成、再発防止の手立て

言葉どおりに受け取ると本質を外すことがある

要望の多くは、学校や家庭での出来事、進級・進学を控えた将来への不安が背景にあります。たとえば「もっと勉強をさせてほしい」という言葉の奥に、学校の授業についていけているか不安だという気持ちがあることもあります。この場合、学習時間を増やすより、成功体験の積み方や本人のペースを共有するほうが安心につながる場合もあります。

要望は「何をしてほしいか」ではなく「なぜそう思ったか」まで聞き取って初めて、支援に活かせる情報になります。

本記事で扱う対応の全体像

放課後等デイサービスにおける保護者からの要望への対応は、次の4つのステップで整理すると、職員間でも進め方を共有しやすくなります。

  1. 傾聴する——その場で可否を答えず、要望の背景と具体的な場面を聞き取る
  2. 記録に残す——誰が見ても同じ内容を把握できる形で情報を共有する
  3. 個別支援計画との整合を確認する——要望をそのまま実行せず、本人のねらいと照らす
  4. 説明して合意をつくる——できること・できないことを伝え、その後の様子をフォローする

そのうえで、活動の幅そのものを広げる打ち手も検討の余地があります。日々の活動プログラムの組み方を見直すことで、要望への対応が個別の例外ではなく、事業所全体の改善につながっていきます。

保護者の要望に応える活動の広げ方は?

3つの質問に答えるだけで、外部プログラムの取り入れ方の方向性がわかります。(約30秒)

質問 1 / 3

新しい活動を試すときの進め方は?

当てはまる方を選んでください

質問 2 / 3

保護者から寄せられる声の傾向は?

当てはまる方を選んでください

質問 3 / 3

職員体制と予算の見通しは?

当てはまる方を選んでください

診断結果:単発イベントから試す進め方がおすすめです

まずは単発イベントとして取り入れ、子どもの参加の様子や保護者の反応を記録に残すところから始めてみてください。実施後に個別支援計画のねらいと照らして振り返れば、継続するかどうかも職員間で判断しやすくなります。単発イベントは1.5〜2.5万円〜が目安です(内容・人数により異なります)。報酬や加算の扱いは、所管の自治体や公的資料でご確認ください。

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診断結果:継続クラスで活動に定着させるのがおすすめです

曜日ごとの活動枠に外部プログラムを組み込み、継続クラスとして回数を重ねる進め方が合いそうです。同じ流れを繰り返すことで職員が引き継ぎやすくなり、個別支援計画のねらいと照らした記録も積み上がります。継続クラスは1回1万円〜が目安です(内容・回数により異なります)。まずは曜日や人数のご希望をお聞かせください。報酬や加算の扱いは、所管の自治体や公的資料でご確認ください。

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ステップ1:まず傾聴する——要望の背景を聞き取る姿勢と聞き方

保護者から「もっと勉強をみてほしい」「友達とのトラブルを減らしてほしい」といった声が届いたとき、その場で「できます」「難しいです」と結論を返してしまうと、後から方針を変えにくくなります。放課後等デイサービスで保護者からの要望に対応するときの最初のステップは、要望そのものではなく要望が生まれた背景を聞き取ることです。表面的な言葉の裏に、家庭での困りごとや学校とのやり取り、進路への不安など別の事情が隠れていることは少なくありません。

ステップ1:まず傾聴する——要望の背景を聞き取る姿勢と聞き方のイメージ

聞き取りの場面には向き不向きがある

同じ内容でも、どの場面で聞くかによって引き出せる情報の深さが変わります。送迎時の立ち話で重い相談を扱おうとすると、時間も場所も足りず、かえって不信感につながることがあります。

場面 適した内容 注意点
送迎時の対面 その日の様子の共有、軽い確認、相談の糸口をつかむ 他の保護者・児童の前。込み入った話は別の場を提案する
連絡帳・アプリ 事実の記録、日々の変化の共有、要望の一次受付 文字は感情が伝わりにくい。評価的な表現を避ける
モニタリング面談 支援方針に関わる要望、目標の見直し、背景の深掘り 時間配分を決め、記録者を立てる。結論を急がない
電話 急ぎの連絡、面談日程の調整、感情が高ぶった際の初期対応 記録が残りにくい。通話後すぐ要点を文書化する

背景を引き出す聞き方の例

「なぜですか」と理由を直接尋ねると詰問に聞こえることがあります。場面・様子・望む状態の順にたずねると、保護者も話しやすくなります。

  • 「どんな場面でそう感じられましたか」——出来事を具体化する
  • 「ご家庭ではどんな様子ですか」——事業所では見えない姿を知る
  • 「学校ではいかがでしょうか」——生活全体の文脈をつかむ
  • 「どうなるとよいとお考えですか」——要望の先にある目標を確認する
  • 「いつ頃からお感じですか」——変化の時期と要因を探る

初期対応の3原則:①否定から入らない ②その場で約束しない ③担当者個人で抱え込まない。この3つを守るだけで、後のトラブルは大きく減らせます。

感情的な訴えには事実と感情を分けて受け止める

強い口調で要望が寄せられる場面もあります。このとき、言われた内容をすべて「クレーム」と捉えると対応が硬くなります。まず「何が起きたのか」という事実と、「どう感じたのか」という感情を分けて受け止め、感情には共感を示し、事実については確認してから回答する、と切り分けるのが基本です。「お話しくださってありがとうございます。事実関係を確認したうえで、改めてご連絡します」と伝えれば、否定せず、かつ即答も避けられます。

初期対応の言い回しを職員間で共有する

対応の質が職員ごとにばらつくと、保護者は「人によって言うことが違う」と感じます。受付時の第一声、確認事項、次の連絡までの目安期間などを定型文として共有しておくと安心です。

  • 受け止めの一言(例:「ご心配のことと思います。詳しくお聞かせください」)
  • その場で回答しない旨の伝え方と、回答までの目安日数
  • 誰に報告するか(管理者・児童発達支援管理責任者)の連絡経路
  • 聞き取った内容を記録に残す様式と記入のタイミング

聞き取りの質は、日々の観察や活動記録の書き方とも直結します。普段から子どもの様子を具体的に記録していれば、要望を受けた際にも「その場面ではこういう様子でした」と事実ベースで話を進められます。

ステップ2:記録に残す——誰が見ても分かる形で情報を共有する

保護者から聞き取った要望は、担当者の記憶に留めた時点で事業所の情報ではなくなります。送迎時の立ち話で受けた一言も、翌日には別の職員が同じ保護者に対応する可能性があります。「前に伝えたのに伝わっていない」という不信感は、要望そのものより記録の不備から生まれることが少なくありません。聞いたその日のうちに、誰が見ても状況を再現できる形で残すことが、放課後等デイサービスで保護者からの要望に対応する実務の土台になります。

記録に残しておきたい項目

自由記述だけに頼ると、書く人によって情報量が大きく変わります。あらかじめ項目を決めた様式を用意しておくと、短時間でも必要な情報がそろいます。

記録項目 書き方の例・ポイント
受付日時・受付者 「○月○日 17:15 送迎時/対応:△△」。場面(電話・連絡帳・送迎時)も添える
要望の内容 「宿題の時間を増やしてほしい」など、求められている行動を一文で
保護者の発言 要約せず「学校の宿題が家で全然進まなくて困っている」とそのまま引用で残す
背景として語られたこと 家庭や学校の状況、きょうだいの事情など、保護者が語った事実のみ
現時点での回答 「持ち帰って検討し、○日までに連絡すると伝えた」など、その場で伝えた内容
次のアクション・期限 担当者名と期限をセットで。「管理者が○日までに電話」など

書き方で気をつけたいこと

  • 事実と解釈を分けて書く。「保護者が○○と話した」(事実)と「不安が強いと思われる」(職員の解釈)を同じ段落に混ぜず、解釈は別欄か括弧書きにする。
  • 保護者の言葉は要約せず引用で残す。要約すると、後から読んだ職員が要望の強さやニュアンスを取り違えやすくなる。
  • 評価的な表現を書かない。「気にしすぎ」「過干渉」などの記述は、開示請求や第三者評価の場面で事業所の姿勢そのものを問われかねない。
  • 保留は保留と書く。「検討中」で止めず、誰がいつまでに何をするかまで書く。
  • 他児や他家庭の情報を書き込まない。記録は開示される前提で書く。

どの記録に残すかをルール化する

事業所にはサービス提供記録、日々の支援記録、個別支援計画のモニタリング記録など複数の記録があります。要望を受けた際、どこに何を書くかが決まっていないと、情報が分散して探せなくなります。

記録の種類 要望に関して残す内容
相談・連絡記録(受付票) 要望を受けた事実と内容、その場の回答、次のアクション
日々の支援記録 要望を踏まえて変更した関わりや、子どもの様子の変化
モニタリング記録 個別支援計画の目標と照らした評価、計画変更の要否

記録の目的は「書くこと」ではなく、担当者が不在でも同じ説明ができる状態をつくることです。

週次のミーティングやケース会議で、受け付けた要望を一覧で読み上げて共有し、対応中・対応済みの状態を全員が把握できるようにしておくと、問い合わせへの初動が安定します。あわせて活動記録の書き方の様式も見直しておくと、日々の記録から要望への回答材料を拾いやすくなります。

かんたん診断保護者の要望に応える活動の広げ方は?30秒でチェック

ステップ3:個別支援計画との整合を確認する——要望をそのまま実行しない理由

傾聴し、記録に残した要望を次にどうするか。ここで大切なのは、要望をそのまま活動に反映させるのではなく、個別支援計画の目標と結び付けて検討するという手順です。放課後等デイサービスは、児童発達支援管理責任者が作成した個別支援計画に基づいて支援を提供する仕組みです。計画と無関係に活動が増えていくと、支援の一貫性が失われ、職員間でも「なぜこの活動をしているのか」が説明できなくなります。

ステップ3:個別支援計画との整合を確認する——要望をそのまま実行しない理由のイメージ

保護者の要望は貴重な情報ですが、それは「家庭から見える本人の姿」の一側面です。事業所での様子、本人自身の意向、他の利用児への影響まで含めて、組織として判断する必要があります。

要望を検討するときの5つの観点

要望を受けたら、児童発達支援管理責任者を中心に、次の観点で整理してみてください。会議の議題として使えるよう、確認事項を表にまとめました。

観点 確認すること
個別支援計画の目標との関係 要望は現在の計画の目標に沿っているか。沿っていない場合、計画の見直しが必要なテーマか、日々の運用で吸収できる範囲か
本人の意向 本人はその活動を望んでいるか。言葉で表現しにくい場合、表情・参加の様子・過去の反応から推測できることはあるか
安全面・人員体制 必要な見守り人数を確保できるか。使用する道具・場所にリスクはないか。送迎時間との兼ね合いは成立するか
他児への影響 一人のための活動変更が、他の利用児のプログラムを圧迫しないか。グループ活動として成立する形にできるか
継続可能性 職員が交替しても再現できるか。単発で終わらず、一定期間続けられる内容か

要望への回答は「できる/できない」の二択ではありません。「計画の目標と照らして、今はこの形で取り組みます」という第三の答えを用意することが、信頼につながります。

制度面で押さえておきたいこと

個別支援計画については、作成・定期的な見直し・保護者への説明と同意などが運営基準上で求められています。要望を受けて支援内容を大きく変更する場合は、計画の変更手続きが必要になるケースもあります。

  • 計画の変更が必要か、日常の活動の工夫で対応できるかを最初に切り分ける
  • 変更する場合は、担当者会議(サービス担当者会議等)での検討と保護者への説明・同意の手順を踏む
  • 加算の算定要件や記録の様式は、厚生労働省や自治体が公表する資料を参照し、判断に迷う点は指定権者(自治体の障害福祉担当課)に確認する

単位数や加算名については報酬改定で変わるため、事業所内の口頭伝達だけで運用せず、必ず最新の公表資料で裏を取る体制にしておくと安心です。

「できません」で終わらせず代替案を出す

要望に沿えない場合でも、目的に立ち返れば別の手段が見つかることがあります。たとえば「もっと勉強をさせてほしい」という要望の背景が「集中して何かに取り組む時間を持たせたい」であれば、学習そのものではなく、手順に沿って完成させる制作活動で代替できる可能性があります。

  • 要望を「手段」と「目的」に分解する
  • 目的を満たす別の手段を2つ程度用意する
  • いつ試し、いつ振り返るかの期限を添えて提案する

活動の引き出しが足りないと感じるときは、曜日別の活動プログラムの組み方を見直し、週のどこに新しい取り組みを入れられるかを先に確認しておくと、代替案を具体的に示しやすくなります。

ステップ4:説明して合意をつくる——伝え方と、その後のフォロー

要望を受け止め、記録し、個別支援計画との整合を確認したら、最後に検討結果を保護者へ返します。ここでの伝え方が曖昧だと「結局やってもらえるのか分からない」という不信につながりやすく、逆に丁寧に筋道立てて説明できれば、要望が出たこと自体が信頼関係を深める機会になります。放課後等デイサービスで保護者からの要望に対応する際は、結論だけでなく「どう考えてその結論に至ったか」をセットで伝えることが要です。

伝える順序を決めておく

面談でも送迎時の短い時間でも、話す順番をあらかじめ型にしておくと、担当者が替わっても説明の質がぶれません。

  1. 要望の受け止めを再確認する(「前回、集団の中で手が止まってしまう場面が心配だとお話しいただきました」)
  2. 事業所内で検討した内容を伝える(誰と、どんな視点で話し合ったか)
  3. 事業所としての方針を示す(そのまま実施する/形を変えて実施する/今回は難しい)
  4. 実施時期や試行期間を具体的に示す(「来月から週1回、3か月を目安に」)
  5. 次に振り返るタイミングを約束する(「モニタリングの時期に、記録をお見せしながら一緒に確認します」)

「できること・できないこと・条件付き」の3分類で返す

すべての要望に同じ返し方はできません。回答を3つに分けて整理しておくと、保護者にも伝わりやすくなります。

分類 該当する場面 伝え方の例
できること 計画のねらいと合致し、人員・環境の範囲で実施できる 「来月から活動の中に取り入れて、様子を記録して次回共有します」
条件付きでできること 人数・曜日・時間を限れば可能、試行期間を設けたい 「まずは火曜日の少人数の時間で試してみます。難しければ形を見直します」
今回は難しいこと 安全面・職員体制・制度上の位置づけから実施が困難 「安全面の確認が取れないため今の体制では難しいのですが、近いねらいで○○という形は検討できます」

難しい場合も「できません」で終えず、代替案を一つ添えるだけで受け止め方が変わります。

効果を約束しない言い回しを身につける

保護者の期待に応えたい気持ちから、つい「これで落ち着きます」「できるようになります」と言ってしまう場面がありますが、発達の変化は約束できるものではありません。次のような言い換えを職員間で共有しておくと安全です。

  • 「できるようになります」→「取り組んでみて、様子を記録しながら一緒に見ていきます」
  • 「効果があります」→「このねらいで試してみます」
  • 「すぐ変わります」→「期間を決めて続けてみて、変化があれば共有します」

伝えるのは「結果の保証」ではなく「取り組む内容」と「振り返る時期」。この2つが約束できていれば、結果がどうあれ話し合いは続けられます。

振り返りの場はモニタリングに乗せる

新たに面談の機会を設けるのは負担が大きいため、モニタリングや個別支援計画の見直し時期に合わせて振り返ると、自然な形で話し合いの場がつくれます。その際は普段の活動記録の書き方を工夫しておき、要望に関連する場面の様子をすぐ示せるようにしておくと説明がスムーズです。

  • 合意した内容(実施する範囲・期間・次回の確認時期)は必ず記録に残す
  • 対応後は送迎時などに「今週はこんな様子でした」と短く伝え続ける
  • 試行期間の途中で難しさが出たら、次回を待たずに早めに共有する

大きな報告を一度するより、小さな共有を重ねるほうが信頼は積み上がっていきます。

活動の選択肢を広げるという打ち手——外部プログラムの活用を検討する

保護者からの要望のなかでも「活動がいつも同じに見える」「子どもが飽きているようだ」という声は、説明だけで解消しにくい性質があります。支援の意図を丁寧に伝えても、家庭から見える情報はお子さんの話と連絡帳が中心だからです。こうした要望には、既存の活動を全面的に入れ替えるのではなく、月に1〜2回、新しい選択肢を足すという発想が現実的な打ち手になります。曜日ごとの枠組みを維持したまま一コマだけ差し替える形なら、職員の負担を抑えつつ変化を出せます。実際の組み立て方は曜日別のプログラム設計とあわせて検討すると整理しやすくなります。

自事業所で立ち上げる場合と外部講師に依頼する場合

新しい活動を増やす方法は大きく二つあります。それぞれ向き不向きがあるため、人員体制と予算から判断します。

観点 自事業所で新規に立ち上げる 外部講師に依頼する
準備負担 教材研究・試作・備品購入を職員が担う 企画と教材は講師側が用意することが多い
職員の習熟 時間はかかるが事業所内にノウハウが残る 当日の補助役に回るため習熟は進みにくい
継続性 担当職員の異動・退職で止まるリスク 契約が続く限り一定の品質で継続しやすい
費用 備品費が中心。人件費は内部で吸収 1回ごとの講師料が発生する

どちらかが優れているわけではなく、既存の得意分野は内製、専門性や機材が必要な分野は外部、と役割を分けるのが現実的です。

外部プログラムを選ぶときのチェックポイント

  • 機材・教材を持参してくれるか——事業所側で用意する物品が増えると、担当者の負担が結局残ります
  • 対応できる人数と年齢の幅——低学年から高学年まで同じ場にいる事業所では、学年差を吸収できる内容かを確認します
  • 個別の配慮について事前相談ができるか——感覚面の特性、音や待ち時間が苦手なお子さんへの対応を事前に共有できる相手かどうか
  • 単発イベントか継続クラスか——まず単発で様子を見て、反応を見てから継続を検討する流れが安全です
  • 職員の関わり方——完全に講師任せか、職員が補助に入るのかで当日の人員配置が変わります
  • 見学・体験の可否——導入前に職員が内容を把握できると、保護者への説明も具体的になります

外部プログラムは「職員の手が空く手段」ではなく「活動の選択肢を増やす手段」です。当日の見守りや個別の声かけは引き続き職員の役割として設計しておくと、導入後のずれが起きにくくなります。

一例:レゴ®ブロックを使った出張プログラミング

選択肢の一つとして、レゴ®ブロックを活用したプログラミング・ロボティクスの出張レッスン「コトコレクション」のような形もあります。講師が機材・教材を持参して事業所に出向き、継続クラスと単発イベントの両方に対応しています。費用の目安は継続クラスが1回1万円〜、単発イベントが1.5〜2.5万円〜で、内容や人数、地域によって変わります。

ブロックを組み立てて動かす活動は、手を動かしながら試行錯誤する過程そのものが中心になります。うまく動かなければ直す、友達の作品を見て真似る、といったやりとりを通じて、創造性や協働の経験につながると考えられています。効果を断定して保護者に伝えるのではなく、「こうした活動を新たに取り入れました」「お子さんはこの場面に集中していました」と事実ベースで共有するほうが、信頼関係を保ちやすくなります。

かんたん診断保護者の要望に応える活動の広げ方は?30秒でチェック

まとめ:保護者からの要望を支援の質向上につなげるために

放課後等デイサービスで保護者からの要望に対応する流れは、場当たり的な対応ではなく、事業所としての一連の手順に落とし込むことで安定します。本記事で整理した4つのステップを、あらためて確認しておきましょう。

  • 傾聴する——要望の言葉そのものではなく、その背景にある家庭での困りごとや不安を聞き取る。
  • 記録に残す——受けた職員だけが知っている状態にせず、誰が見ても分かる形式で共有する。
  • 個別支援計画との整合を確認する——要望をそのまま実行せず、アセスメントと計画の目標に照らして妥当性を検討する。
  • 説明して合意をつくる——できること・できないこと・その理由を丁寧に伝え、実施後の経過も報告する。

個人技から「事業所の仕組み」へ

要望対応が特定の職員の経験や人柄に依存していると、その職員が不在の日に対応が止まったり、説明の内容が人によってぶれたりします。仕組み化することで、新人職員でも一定の水準で対応でき、記録が次の計画見直しの材料として蓄積されていきます。

項目 個人技で対応した場合 仕組み化した場合
対応の一貫性 担当者により説明が変わりやすい 判断の基準と流れが共有される
情報の引き継ぎ 口頭中心で抜けが生じやすい 記録様式に沿って残り追跡できる
計画への反映 モニタリング時に思い出せない 蓄積した記録から根拠を示せる
職員の負担 特定の職員に集中しやすい チームで分担・相談しやすい

制度に関わる要望は必ず公的資料で確認する

送迎の範囲、利用日数、各種加算の算定要件などに関する要望は、事業所の判断だけで回答すると後々のトラブルにつながります。以下の姿勢を徹底しておくと安心です。

  1. 厚生労働省・こども家庭庁が公開する通知や運営基準、放課後等デイサービスガイドライン等の一次資料を確認する。
  2. 解釈に迷う点は、指定権者である自治体の担当課に照会し、回答内容と日付を記録に残す。
  3. 保護者には「確認のうえ改めてご説明します」と伝え、その場で断定しない。

要望への回答で最も信頼を損なうのは、曖昧な返事や後からの訂正です。確認してから答える、という手順自体が誠実さとして伝わります。

活動内容の見直しには外部の力を借りる選択肢も

「活動の幅を広げてほしい」「同じ内容が続いている」といった要望は、職員の工夫だけで解決しようとすると負担が大きくなりがちです。活動のマンネリを打開する工夫とあわせて、外部プログラムの導入を検討するのも現実的な打ち手です。講師が機材・教材を持参する形であれば、職員は子どもの様子の観察と記録に集中でき、その記録がそのまま次のモニタリングの材料にもなります。

SCCIP JAPANの施設向け出張レッスン「コトコレクション」では、レゴ®ブロックを使ったプログラミング・ロボティクスの体験を、継続クラスにも単発イベントにも対応する形でお届けしています。料金の目安は継続クラスが1回1万円〜、単発イベントが1.5〜2.5万円〜です。活動の選択肢を増やしたい、保護者への説明材料になる取り組みを検討したいという事業所の方は、まずはお気軽にご相談・お問い合わせください。お子さま個人の習い事をお探しの保護者の方は、全国の加盟教室で実施している体験教室からお試しいただけます。

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保育園・学童などの施設へのプログラミング出張レッスン「コトコレクション」

講師が機材・教材をすべて持参。施設側は日程調整と参加者募集だけでOKです。継続クラス・単発イベントのどちらにも対応し、学年混合や理解度の違いにも個別ワークシートで対応します。

まずはお気軽にご相談ください。内容・規模に合わせてご提案します。

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