株式会社 SCCIP JAPAN

保育園に外部講師を招く際の契約の注意点と必要書類を整理。保険加入、保護者への案内、欠席・中止時の扱い、写真利用、反社条項、キャンセル規定をチェックリストと表で解説。出張レッスン導入の実務例も紹介します。

保育園の外部講師契約で失敗しない|注意点と必要書類チェックリスト

外部講師との契約は、契約相手(個人か法人か)・実施時間帯(保育時間内か課外か)・費用負担者の3点を先に整理し、中止や写真利用、保険、解約などの条項を文書化しておくことが基本とされています。

この記事でわかること

  • 個人講師と法人で異なる確認書類・保険・代講体制の違い
  • 保育時間内実施で確認したい職員配置と自治体への確認事項
  • 契約書・覚書に盛り込みたい条項チェックリスト
  • 中止・キャンセル料・写真利用など曖昧だと揉めやすい点と書き方例

英語、リトミック、体操、そしてプログラミング。保育園で外部講師による活動を取り入れたいと考えたとき、プログラムの内容以上に悩ましいのが「契約と書類をどう整えるか」ではないでしょうか。口約束に近い形で始めてしまい、講師が急病で来られなくなったときの扱いや、活動写真をホームページに載せてよいかどうかで慌てた——そんな事態は避けたいところです。

この記事では、保育園の園長・運営者・事務担当の方に向けて、外部講師を迎える際に確認しておきたい契約条項と必要書類を、チェックリストと表で整理します。あわせて、講師が機材・教材を持参して実施する出張プログラミングレッスン「コトコレクション」の運用を具体例として紹介します。なお、契約内容や個人情報の取り扱いは園の規程や自治体の指導によって異なります。最終的な判断は、必ず園の規程・顧問の専門家・所管自治体の指示に従ってご確認ください。

保育園が外部講師を迎える前に整理しておく3つの前提

外部講師に依頼する活動を園に導入するとき、いきなり契約書の文面を検討し始めると、後から「そもそもの前提が決まっていなかった」ことに気づいて作り直しになりがちです。契約書・覚書は、園と講師側の取り決めを文書化したものにすぎません。文書化する前に、園内で次の3点を整理しておくと、その後のやり取りが一気にスムーズになります。

  • 誰と契約するのか——個人の講師か、法人(事業者)か。業務委託か、派遣の形か
  • いつ実施するのか——保育時間内の活動か、延長保育・課外活動として実施するのか
  • 費用を誰が負担するのか——園の運営費から支出するか、保護者からの実費徴収にするか

この3点は相互に関係しています。たとえば「保育時間内に全園児を対象に実施する」なら保護者から実費を徴収しにくく、園の予算に組み込む前提になります。逆に「希望者のみの課外活動」なら保護者負担が自然ですが、参加しない子どもの保育体制を別に用意する必要が出てきます。

1. 誰と契約するのか——個人講師と法人で確認事項が変わる

契約相手が個人か法人かによって、確認すべき書類も、リスクが生じたときの備えも変わります。どちらが良い・悪いという話ではなく、確認するポイントが異なるという理解が大切です。

確認項目 個人講師と契約する場合 法人(事業者)と契約する場合
契約相手の確認書類 本人確認書類、経歴・資格証、開業や屋号の確認(必要に応じて) 登記事項証明書や会社概要、事業内容の分かる資料、担当者の名刺
保険の加入主体 個人で賠償責任保険に加入しているかを本人に確認 法人として賠償責任保険に加入しているか、補償範囲と上限を証書等で確認
代替講師の有無 体調不良時は原則休講。振替日の決め方を事前に取り決める 代講の体制があるかを確認。あれば当日の連絡フローも併せて決める
請求・支払いの形 個人への報酬として源泉徴収の要否を園の経理で確認 請求書に基づく事業者間の支払い。締日・支払期日を明記

なお「業務委託」と「労働者派遣」は法的な位置づけが異なり、園の職員が講師に直接指揮命令を行う形になると委託の前提が崩れる可能性があります。判断に迷う場合は、社会保険労務士など専門家や所管自治体に確認してください。

2. 保育時間内か、延長・課外かで位置づけが変わる

保育時間内に外部の者が関わる場合、職員の配置や保育内容上の位置づけに影響しうるため、事前の確認が欠かせません。少なくとも次の点は園内で言語化しておきましょう。

  1. 活動中、クラス担任は同席するのか。同席する場合、配置基準上の職員数をどう数えるか
  2. 参加しない園児(欠席・希望しない子)の保育をどの職員が担当するか
  3. 活動を指導計画・年間計画のどこに位置づけるか(保育の一環か、課外の付加サービスか)
  4. 外部の者の立ち入りに関する園のルール(受付、名札、動線)を適用できるか

保育時間内の実施は、職員配置や運営基準の解釈に関わることがあります。自己判断で進めず、所管の自治体(市区町村の保育担当課)の指導を確認したうえで形を決めることをおすすめします。

3. 費用の負担者を先に決める

費用負担の決め方は、保護者への説明のしやすさに直結します。園の運営費で負担するなら全園児に提供しやすい一方、予算化のタイミング(次年度予算の編成時期)を逃すと導入が1年先送りになることもあります。保護者からの実費徴収にする場合は、徴収方法・返金の扱い・未納時の対応まで含めて決めておくと、後の事務が楽になります。

どの形を選ぶにせよ、導入の検討段階で保育園の外部講師の選び方も併せて整理しておくと、契約条項を検討する際の判断軸がぶれにくくなります。

外部講師の導入、まずはどの形から始める?

3つの質問に答えると、園に合った導入の進め方と契約準備の目安がわかります。(約30秒)

質問 1 / 3

外部講師の導入は今どの段階ですか?

当てはまる方を選んでください

質問 2 / 3

契約書や覚書の準備状況は?

当てはまる方を選んでください

質問 3 / 3

予算の組み方で近いのはどちらですか?

当てはまる方を選んでください

診断結果:単発イベントで試す進め方がおすすめです

まずは1回の体験イベントから始める形が合いそうです。費用は1.5〜2.5万円〜が目安です(内容・人数により異なります)。単発でも、中止・キャンセル料・写真利用・保険の4点は覚書で先に文書化しておくと安心です。実施後に子どもの様子と職員の負担を振り返り、継続の可否を判断する流れにすると、次年度の予算化も進めやすくなります。

出張レッスン「コトコレクション」に相談する

診断結果:継続クラスで定着させる進め方がおすすめです

年間計画に位置づけて継続クラスで進める形が合いそうです。費用は1回1万円〜が目安です(内容・回数により異なります)。契約書には実施回数、振替、解約の予告期間、講師交代時の通知、保険の補償範囲までを明記しておくと、年度途中の変更にも対応しやすくなります。保育時間内に行う場合は、職員配置や活動の位置づけを所管自治体にも確認しておきましょう。

出張レッスン「コトコレクション」に相談する

契約書・覚書で必ず確認したい条項チェックリスト

外部講師の受け入れは、口頭の合意や見積書だけで進んでしまうことがあります。しかし園内で子どもを預かる以上、「誰が・いつ・何を・いくらで・どこまで責任を持つのか」を文書で残しておくことが、園と講師の双方を守ります。契約書でも覚書でも形式は問いませんが、以下の項目が抜けていないかを一度確認しておくと安心です。

契約書・覚書で必ず確認したい条項チェックリストのイメージ

契約書・覚書に盛り込みたい条項

  • 業務内容:レッスンの内容、対象年齢・人数、講師の人数、園側が担う補助の範囲
  • 実施日・時間・回数:曜日と時間帯、年間または期間内の実施回数、年度をまたぐ場合の扱い
  • 料金と支払い方法:1回あたりの金額、消費税の内外、締め日と支払期日、振込手数料の負担
  • 教材費・機材の負担区分:持ち込み機材の所有者、消耗品費、破損時の補充費用の負担者
  • 中止・延期時の取り扱い:荒天・感染症・行事変更・休園などの場合の振替可否と期限
  • キャンセル規定:何日前までの連絡なら無料か、直前連絡時の請求割合
  • 損害賠償と保険:賠償責任の範囲、講師側の保険加入の有無と補償内容
  • 守秘義務・個人情報:園児の氏名や発達に関する情報の取り扱い、契約終了後の継続義務
  • 写真・動画の利用範囲:撮影の可否、ホームページやSNSへの掲載、園の事前承諾の要否
  • 反社会的勢力の排除条項:双方が該当しないことの表明と、違反時の無催告解除
  • 契約期間・更新・解約:期間、自動更新の有無、解約時の予告期間(例:1か月前までの書面通知)
  • 再委託の可否:講師の交代や代理講師の派遣を認めるか、認める場合の事前通知

曖昧なままだと起きやすいトラブル

条項名 曖昧だと起きやすいこと 確認したい書き方の例
中止・延期 行事で中止にしたのに請求された/振替日が決まらない 「園の都合による中止は実施日の7日前までに連絡し、当該期間内で振替日を協議する」
キャンセル料 前日連絡が無料か有料かで認識が食い違う 「3日前までの連絡は無償、前日・当日の中止は料金の〇割」など日数と割合を明記
写真・動画 講師のSNSに園児が写った写真が掲載される 「撮影・使用は事前に園の書面による承諾を得た範囲に限る」
機材の破損 子どもが壊した教材の弁償を巡って揉める 「通常の使用による破損・消耗は講師負担、故意の破損は協議のうえ決定」
講師の交代 毎回違う講師が来て子どもが落ち着かない 「担当講師を変更する場合は事前に園へ通知する」
解約 年度途中でやめたいが条件が不明 「1か月前までの書面通知により解約できる」

金額と同じくらい、「中止になったとき」「写真を使いたいとき」を先に決めておくことが、後のトラブル回避につながります。

条項の文言は、園の運営規程や自治体へ提出する書類との整合も確認しておきましょう。あわせて保育園の外部講師の選び方の段階で確認した内容が、そのまま契約書に反映されているかを突き合わせると、記載漏れを防ぎやすくなります。契約書は一度作れば次年度以降も雛形として使えるため、初年度に時間をかけて整えておく価値があります。

保険・安全管理の確認——けがや物損が起きたときに備える

外部講師を迎える契約で、見落とされやすいのが保険と安全管理の取り決めです。活動中に園児がけがをした、講師が持ち込んだ機材で床や備品を傷つけた、逆に園の備品を講師が破損した——こうした場面は、起きてから話し合うと責任の所在があいまいになりがちです。契約前の段階で、どの保険がどこまでをカバーするのかを書面で確認しておくことが、園と講師双方を守ることにつながります。

講師側の保険加入を書面で確認する手順

「保険に入っています」という口頭の説明だけで済ませず、以下の順で確認すると漏れが減ります。

  1. 賠償責任保険(対人・対物)に加入しているか、保険証券の写しまたは加入証明書の提示を依頼する
  2. 保険期間が契約期間をカバーしているか(年度途中で満期を迎えないか)を確認する
  3. 補償の対象となる活動内容に、今回の出張レッスンの形態が含まれるかを保険会社の約款ベースで確認してもらう
  4. 免責金額(自己負担額)と支払限度額を把握し、園の既存保険と重なる部分・空白になる部分を整理する
  5. 法人契約か個人契約か、再委託・代理講師が入る場合も補償されるかを確認する

園側が加入している保険(施設賠償責任保険や共済など)との関係は、園の保険担当窓口にも確認しておくと安心です。実際に事故が起きた際にどちらの保険が適用されるかは個別の契約内容によって異なるため、最終的な判断は保険会社や自治体の指示に従ってください。

確認しておきたい想定ケースと確認先

想定されるケース 事前に確認しておくこと
活動中に園児がけがをした 講師側の対人賠償の範囲/園の保険との優先関係/報告の手順と連絡先
講師の機材・教材で園の備品を破損 対物賠償の有無と限度額/免責金額の負担者
園児が講師の持ち込み機材を破損 弁償を求めるかどうかの方針を事前に書面化
講師自身が園内でけがをした 講師側の傷害保険の加入状況/労災の適用範囲

教材と体制の安全管理

保険と並んで大切なのが、事故を起こさない運用設計です。特に小さなパーツを使う教材では、年齢に応じた配慮が欠かせません。

  • 対象年齢と誤飲サイズ:教材の対象年齢表示を確認し、低年齢児の活動では大きめのパーツを使う、誤飲の恐れがあるサイズを持ち込まないなどの取り決めを事前に共有する
  • 保育士の同席体制:外部講師に任せきりにせず、クラスを把握している職員が必ず同席する。人数と役割(安全確認・個別フォロー・記録)を決めておく
  • 片付けと員数確認:活動後にパーツの数を確認し、持ち帰り・落下物の有無をチェックする手順を決める
  • 動線と机配置:走り回りやすい配置になっていないか、コンセントやケーブルの位置が安全かを下見時に確認する

アレルギーや配慮が必要な子どもの情報は、安全確保に必要な範囲に限って共有します。共有する項目(アレルギーの有無、音や光への過敏さ、援助が必要な場面など)をあらかじめ決め、保護者からの同意を取ったうえで、講師には口頭または必要最小限の書面で伝え、活動終了後は返却・破棄するルールにしておくと管理しやすくなります。

保険証券の写し・同席職員の配置・教材の対象年齢。この3点を契約前に書面で押さえておくと、事故時の対応が格段にスムーズになります。

こうした安全面の確認項目は、保育園の外部講師の選び方の段階から質問しておくと、契約直前に慌てずに済みます。

かんたん診断外部講師の導入、まずはどの形から始める?30秒でチェック

保護者への案内と写真・動画の利用、個人情報の取り扱い

外部講師を迎える活動は、園と事業者の間で契約が整っていても、保護者への説明が不十分だと後からの問い合わせにつながりやすい部分です。特に写真・動画の扱いは、園内の掲示や園だよりで完結するのか、ホームページやSNS、事業者側の実績紹介まで広がるのかで、必要な同意の範囲が変わります。活動が始まる前に、案内文と同意の取り方をセットで整理しておくと安心です。

保護者への案内と写真・動画の利用、個人情報の取り扱いのイメージ

事前案内文に入れておきたい項目

保護者向けのお知らせは、A4一枚程度で要点が分かる構成が読まれやすくなります。最低限、次の項目を盛り込んでおくと問い合わせが減らせます。

  • 活動の目的とねらい(何を体験し、どんな力につながると考えているか)
  • 活動の具体的な内容(使用する教材・おおまかな流れ)
  • 実施日時・1回あたりの時間・全体の回数
  • 担当する外部講師の氏名または肩書きと、運営する事業者名
  • 保護者の費用負担の有無(ある場合は金額と集金方法、無い場合はその旨)
  • 写真・動画撮影の有無と、撮影したものの利用範囲
  • 欠席した場合の扱い(振替の有無、費用の扱い)
  • 問い合わせ先(園の担当者名と連絡方法)

「費用負担の有無」と「写真の利用範囲」は、記載がないと問い合わせが集中しやすい二大項目です。曖昧な表現を避け、具体的に書いておくことをおすすめします。

写真・動画の利用先ごとに同意の範囲を整理する

同じ一枚の写真でも、掲示するのか、インターネット上に公開するのかで意味合いは大きく変わります。利用先を分けて考えると、保護者にも説明しやすくなります。

利用先 想定される用途 事前に確認したいこと
園内掲示・園だより 活動の様子の共有、保育記録 配布範囲が在園家庭に限られるか。個人が特定される写り方をしていないか
園のホームページ・SNS 園の活動紹介、入園希望者向けの発信 不特定多数が閲覧する点を保護者が理解しているか。顔が写る範囲、削除依頼への対応手順
事業者側の実績紹介・広報 講師派遣事業の事例掲載、資料への使用 園外への提供にあたる可能性がある。掲載媒体・期間・園名の明示可否を契約書や覚書で特定する
保護者への個別共有 我が子の様子の記録として配布 他児が写り込んだ画像の二次利用(SNS投稿など)をどう案内するか

入園時同意書でカバーされる範囲と、個別同意が望ましい範囲

多くの園では入園時に写真利用の包括同意を取得していますが、その文面が想定しているのは通常の保育活動の記録であることが少なくありません。外部事業者が撮影する、あるいは事業者の広報に使われるケースまで読み取れるかどうかは、園ごとに文面を読み返して確認する必要があります。

  • 既存の同意でおおむね足りる可能性があるもの…園職員が撮影し、園内掲示や園だよりに使う写真
  • 別途の個別同意を検討したいもの…外部講師・事業者が撮影するもの、事業者の広報媒体に掲載されるもの、動画で長時間記録されるもの

個別同意を取る場合は、「撮影者は誰か」「どこに掲載されるか」「いつまで掲載されるか」「撤回したいときの連絡先」を明記した用紙を用意し、同意しない家庭の子どもが活動そのものから外れることのないよう、撮影時の立ち位置や画角で配慮する運用まで決めておくと現場が迷いません。

第三者提供にあたる可能性がある場合の確認先

園児の氏名や写真を外部事業者へ渡す行為は、園の立場や内容によっては個人情報の第三者提供にあたる可能性があります。判断は個々の状況によって異なるため、園の個人情報保護規程を確認したうえで、必要に応じて自治体の担当課や顧問の専門家に相談する流れをおすすめします。事業者側にも、受け取った写真データの保管期間・削除のタイミング・再委託の有無を書面で確認しておくと、説明責任を果たしやすくなります。活動後に保護者の受け止めを把握したい場合は、保育園の課外活動アンケートの設問に写真の扱いに関する項目を加えておくのも一つの方法です。

欠席・中止・キャンセル時の扱いを事前に決めておく

外部講師の導入で、運用開始後にもっとも揉めやすいのが「予定どおり実施できなかったとき」の扱いです。園児が熱を出して休んだ、警報が出て登園自粛になった、講師が体調を崩した——こうした事態は必ず起こります。起きてから話し合うと、どちらかが譲る形になり、関係がぎくしゃくしかねません。契約書か覚書の段階で、ケースごとの取り扱いを文面にしておくことをおすすめします。

4つのパターンに分けて取り決める

「中止」とひとくくりにせず、誰の事情で実施できなかったのかで分けて整理すると、双方が納得しやすい規定になります。

ケース 決めておきたいこと 想定される取り扱いの例
園児個人の欠席 費用が発生するか、振替の有無 クラス自体は実施するため費用は通常どおり。個別の振替は行わず、次回に内容を補う形で対応
講師が来られない 代替講師の手配可否、別日振替、返金 原則として代替講師を手配。手配できない場合は別日に振替、振替も困難なら当該回分を請求しない
園側の都合による中止 連絡期限、キャンセル料の発生時期 行事変更などは○日前までの連絡で無償。それ以降は一部または全額を負担
感染症・天災等 免責とするか、振替対応とするか 休園・警報発令時は双方免責とし、可能な範囲で別日に振替

文面化しておきたい3つの論点

  • キャンセル料が何日前から発生するか。「7日前まで無償、3日前まで50%、前日・当日は全額」のように段階で示すと運用しやすくなります。
  • 感染症による急な休園を免責にするかどうか。学級閉鎖や休園は前日・当日に決まることが多く、一般のキャンセル規定をそのまま当てはめると園の負担が大きくなります。別条項として扱うか検討してください。
  • 振替の期限。「同一年度内」「2か月以内」など期限を決めておかないと、振替分が積み上がって処理できなくなります。

キャンセルの連絡先と連絡手段(電話・メール・チャットのいずれか)も明記しておきましょう。当日朝の休園判断では、担当者個人の携帯に連絡がつくかどうかが実務上の分かれ目になります。

継続クラスと単発イベントで規定が異なる場合がある

継続クラスは年間の実施回数をベースに契約することが多く、1回の中止は翌月以降の振替で吸収しやすい形です。一方、単発イベントは講師の人員確保と教材準備が実施日に先行して進むため、直前の中止でも事業者側にコストが残ります。そのため、単発のほうがキャンセル規定が厳しめに設定されることは珍しくありません。

  1. 継続クラスか単発イベントかで条項を分けて記載する
  2. 単発は「いつ時点で教材・人員が確定するか」を事業者に確認し、その日を基準にキャンセル料の区切りを設定する
  3. 年度途中の解約条件(何か月前の申し出が必要か)もあわせて確認する

なお、こうした条件は外部講師の選び方のチェックリストと同じタイミングで確認しておくと、見積もり比較の精度も上がります。見積書に「キャンセル規定」の記載がない場合は、必ず書面で回答をもらってから契約に進んでください。

具体例:レゴ®ブロックを使った出張プログラミングレッスンの運用

外部講師の契約書類を整えたあと、実際の運用がどう進むのかをイメージできると、園内の調整もしやすくなります。ここでは、SCCIP JAPANが提供する施設向け出張レッスン「コトコレクション」を例に、受け入れる側から見た運用の具体像を整理します。レゴ®ブロックを活用した独自カリキュラムで、手を動かしながら試行錯誤する過程を通じて、創造性・論理的思考・コミュニケーションといった力が育まれるとされています。

園側で用意するものが少ない点を確認する

外部プログラムの導入でネックになりやすいのが、教材費と保管場所です。出張レッスン型では講師が機材・教材を持参するため、園が備品を購入したり、ブロックやタブレットを年間を通して保管したりする必要がありません。契約前の打ち合わせでは、次の点を確認しておくと当日の混乱を防げます。

  • 使用する部屋の広さ、机・椅子の数、電源やコンセントの位置
  • 搬入経路と、講師が到着してから設営を始められる時間
  • 1クラスあたりの人数と、保育士・職員の立ち会い体制
  • 片付けの分担(原則として講師が教材を持ち帰る形か)
  • 活動中の写真・動画撮影の可否と、撮影者の取り決め

少人数制で進めるため、一人ひとりの手元を見ながら声をかけやすく、作ったものを友だちに説明する時間も確保しやすいという特徴があります。

継続クラスと単発イベントの違い

導入の形は大きく2通りです。どちらが合うかは、園の行事予定と保護者の負担の考え方によって変わります。

項目 継続クラス 単発イベント
想定される使い方 月1〜2回など定期的に実施し、年間を通して段階的に取り組む。預かり保育や課外活動の枠に組み込む 行事・体験会・長期休みの特別プログラムとして単発で実施。保護者参観と組み合わせることも可能
1回あたりの料金の目安 1万円〜 1.5〜2.5万円〜
準備・案内の流れ 年度前に日程と対象年齢を決め、保護者案内と参加申込を事前に取りまとめる 開催日が決まった時点で案内を配布。申込締切と最少催行人数を先に決めておく

料金はあくまで目安です。地域・人数・実施内容・回数によって異なるため、見積もりの段階で「1回あたりの金額」「交通費の扱い」「キャンセル時の取り決め」の3点を書面で確認してください。

導入までの流れと確認ポイント

  1. 対象年齢・人数・希望時間帯を整理し、継続か単発かの方向性を決める
  2. 見積もりと実施内容の提案を受け、園内で予算と日程を調整する
  3. 契約書・覚書を取り交わし、保険の加入状況と個人情報の取り扱いを確認する
  4. 保護者向け案内を作成し、参加申込と撮影同意を取りまとめる
  5. 初回前に現地で設営と動線を確認し、職員の役割分担を共有する

保育園・幼稚園での実施は課外活動や預かり保育の枠で検討しやすい一方、放課後等デイサービス・児童発達支援で実施する場合は、支援プログラムの中にどう位置づけるか、費用を誰が負担するかといった制度上の整理が必要です。この点は所管の自治体に事前に確認してください。関連して、保育園の外部講師の選び方も合わせて確認しておくと、比較検討がスムーズになります。

かんたん診断外部講師の導入、まずはどの形から始める?30秒でチェック

まとめ:書類を整えてから、まずは相談を

保育園が外部講師を迎える際の論点は多岐にわたりますが、実務上押さえるべき柱は大きく4つに整理できます。最後に、ここまでの内容を確認しやすい形でまとめておきます。

外部講師契約の4つの柱

柱 確認しておきたいこと
契約条項 業務範囲・回数・1回あたりの時間・料金と支払時期・契約期間と更新/解約の方法・反社会的勢力の排除条項
保険・安全管理 講師側が加入している賠償責任保険の有無と補償範囲、けがや物損が起きたときの連絡手順と責任の切り分け、教材の安全性(対象年齢・誤飲サイズ)
保護者案内・個人情報 保護者へのお知らせ文面と配布時期、写真・動画の撮影可否と使用範囲、園児名簿など個人情報を渡す必要があるかどうか、秘密保持の取り決め
欠席・中止 台風・感染症・講師都合など中止理由ごとの扱い、振替の可否と期限、キャンセル料が発生する連絡期限

この4点が書面で明確になっていれば、担当者が変わっても運用が揺らぎません。逆に、どれか1つでも「口頭で確認しただけ」の状態があると、トラブル時の判断が属人的になりがちです。

最終的な契約内容、個人情報の取り扱い、保険の付保範囲は、園の規程と自治体の指導・監査基準に従って確認してください。本記事は一般的な実務の整理であり、個別の法的判断に代わるものではありません。

導入イメージが固まっていなくても相談はできる

「やってみたいが、何歳児で、どのくらいの頻度でやるのが妥当か分からない」という段階でも、次の情報が分かれば具体的な進め方を一緒に組み立てられます。

  • 実施したい内容(例:プログラミング、ブロックを使った造形など)
  • 対象年齢・クラスと、想定している参加人数
  • 1回あたりの時間と、継続クラスか単発イベントか
  • 会場条件(保育室・ホール、机の有無、電源やコンセントの位置)
  • 希望する曜日・時間帯、開始したい時期

この5点を最初に共有しておくと、見積りの前提がそろい、契約書に落とし込む条項も決めやすくなります。講師の選定基準そのものを整理したい場合は、保育園の外部講師の選び方もあわせてご確認ください。

レゴ®ブロックを使った出張レッスンという選択肢

SCCIP JAPANでは、保育園・幼稚園・学童保育・放課後児童クラブ・放課後子ども教室・放課後等デイサービス・児童発達支援などの施設に講師が出向く出張レッスン「コトコレクション」を行っています。機材・教材は講師が持参するため、園側で備品をそろえる必要はありません。継続クラス・単発イベントのどちらにも対応しており、料金の目安は継続クラスが1回1万円〜、単発イベントが1.5〜2.5万円〜です(内容・人数・地域により異なります)。

遊びの延長で手を動かしながら、試行錯誤する力や友だちと相談しながら進める姿勢が育まれるとされており、保育のねらいとも結びつけやすい活動です。契約書式や保護者向け案内文のたたき台についても、打ち合わせの中でご相談いただけます。

施設への出張レッスンをご検討の園長・運営者の方は、実施内容・対象年齢・人数・会場条件をお知らせのうえ、「コトコレクション」までお気軽にお問い合わせください。保護者の方で、お子さまの様子をまず見てみたいという場合は、全国の教室で体験の機会をご用意しています。

FOR FACILITIES
保育園・学童などの施設へのプログラミング出張レッスン「コトコレクション」

講師が機材・教材をすべて持参。施設側は日程調整と参加者募集だけでOKです。継続クラス・単発イベントのどちらにも対応し、学年混合や理解度の違いにも個別ワークシートで対応します。

まずはお気軽にご相談ください。内容・規模に合わせてご提案します。

コトコレクション(施設向けプログラミング出張レッスン)



コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です

上部へスクロール