株式会社 SCCIP JAPAN

保育園の園内研修で「遊びが学びにつながる視点」を職員全体に共有するには。保育所保育指針の記載を踏まえた研修テーマ案、進め方の手順、外部講師を招いた実演型研修や親子イベントの活用まで、表と箇条書きで実務的に解説します。

保育園の職員研修で「遊びが学びになる視点」を共有する方法とテーマ案

園内研修では、遊び写真の持ち寄りや10分間の観察記録、環境構成マップづくりなど日常の素材を教材にしたテーマを重ね、職員が子どもの姿を語る共通言語をつくることが成果とされています。

この記事でわかること

  • 保育所保育指針を出発点に見取りの視点を揃える意義
  • すぐ企画できる園内研修テーマ案8本とねらい・所要時間の目安
  • 観察・言語化・環境改善と進む3回シリーズの組み立て方
  • 90分研修のタイムテーブル例と発言を引き出す場づくりの工夫

「子どもたちはよく遊んでいるけれど、その遊びが何の学びにつながっているのかを、職員が同じ言葉で説明できているだろうか」——園内研修のテーマを考えるとき、こうした課題を感じる園長先生や主任保育士の方もいらっしゃるのではないでしょうか。日々の保育のなかで子どもが夢中になっている場面には、探究心や試行錯誤、友達との関わりなど、多くの育ちの芽が含まれているとされています。しかしその見取り方は経験年数や個人の感覚に左右されやすく、言語化・共有されないまま流れてしまうこともあります。

この記事では、保育園の職員研修で「遊びが学びにつながる視点」を共有するための具体的なテーマ案と進め方を、表や箇条書きを交えて整理します。保育所保育指針の記載に触れる部分は、公的資料で確認できる範囲にとどめています。あわせて、外部講師を招いた実演型の研修や親子イベントという選択肢についても、費用の目安を含めてご紹介します。

なぜ今「遊びが学びになる視点」を園内で共有する必要があるのか

同じ保育室で同じ場面を見ていても、職員によって「何を見取ったか」が大きく異なることがあります。経験年数や得意分野、これまで勤めた園の文化によって、遊びの意味づけは個人の経験に依存しやすいためです。園内研修で「遊びが学びになる視点」を共有することは、この属人性をゆるやかに揃えていく取り組みだといえます。

保育指針が示している前提を確認する

保育所保育指針(厚生労働省告示)では、保育は環境を通して行うものであること、そして子どもの自発的な活動としての遊びを通して総合的に指導することが基本とされています。また、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿として、思考力の芽生えや言葉による伝え合い、協同性などの姿が示されています。つまり「遊びは学びである」という考え方は、園独自の主張ではなく、公的な基準として共有されている前提です。研修ではまずこの出発点を全員で確認しておくと、議論が個人の価値観の対立になりにくくなります。

見取りの言葉が揃わないと、どこに影響が出るか

  • 保護者説明:「今日は自由遊びでした」としか伝えられず、育ちの手応えが保護者に届かない
  • 指導計画:ねらいが行事準備中心になり、遊びの中の育ちが計画に反映されない
  • 記録・要録:担任によって記述の粒度が大きく異なり、進級時の引き継ぎが弱くなる
  • 環境構成:遊びの意味が共有されないため、片づけやすさ優先で教材配置が決まってしまう

同じ場面を2つの見方で並べてみる

研修の導入では、よくある遊びの場面を「表面的な見方」と「育ちの視点から見た見方」で対比させると、違いが一目で伝わります。

場面 遊び=自由時間という見方 遊び=学びの過程という見方
ブロック遊び 好きなものを作って遊んでいる 倒れない構造を試行錯誤する中で、量感や空間認識、見通しを立てる力が育まれるとされています
水遊び 涼しく過ごすための夏の活動 水の量や流れを比べ、予想と結果を確かめる経験が、科学的な気づきにつながると考えられています
ごっこ遊び 友達と楽しそうに話している 役割を調整し折り合いをつけるやりとりの中で、言葉による伝え合いや協同性が育まれるとされています

右の列のような言葉を職員が自分の口で言えるようになると、連絡帳もドキュメンテーションも、保護者面談の語りも自然と変わっていきます。似た視点の整理は、製作活動のねらいを見直す場面でも応用できます。

研修の目的は、正解を教えることではありません。職員が同じ視点で子どもの姿を語れる「共通言語」をつくることが、園内研修のいちばんの成果です。

外部講師の取り入れ方、わが園に合うのは?

3つの質問に答えると、単発イベントと継続クラスのどちらが向くかわかります(約30秒)

質問 1 / 3

研修に使える時間は?

当てはまる方を選んでください

質問 2 / 3

いま困っているのは?

当てはまる方を選んでください

質問 3 / 3

予算と稟議の進め方は?

当てはまる方を選んでください

診断結果:まずは単発イベントから始めるのがおすすめです

職員向けの実演型研修や親子イベントなど、一回完結の形から始める進め方が合いそうです。外部講師の進行を実際に見ることで、遊びの中の学びを言葉にする手がかりを共有しやすくなります。実施後に職員で振り返る時間を設けると、園内研修の題材としても活かせます。単発イベントは1.5〜2.5万円〜が目安です(内容・人数により異なります)。ご希望の時期や内容からご相談いただけます。

出張レッスン「コトコレクション」に相談する

診断結果:継続クラスで視点を定着させるのがおすすめです

定期的に講師が入るクラスを設け、職員が参観しながら記録を重ねる進め方が向いていそうです。同じ活動を繰り返し見ることで、子どもの変化や保育者の関わりを話し合う材料が増え、園の共通言語づくりにつながると考えられています。継続クラスは1回1万円〜が目安です(内容・回数により異なります)。回数や時間帯、クラス編成のご相談から承ります。

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園内研修のテーマ案一覧:ねらい・所要時間・準備物で比較する

「遊びが学びになる視点」を共有する研修は、大がかりな準備をしなくても組み立てられます。日々の保育の中にある素材(写真・記録・保育室の図面・子どもへの声かけ)をそのまま教材にできるからです。ここでは、園内研修としてすぐに企画できるテーマ案を、ねらいと所要時間の目安とあわせて整理しました。

園内研修のテーマ案一覧:ねらい・所要時間・準備物で比較するのイメージ

すぐ使える園内研修テーマ案8本

研修テーマ ねらい 所要時間の目安
①遊び写真を持ち寄るドキュメンテーション共有会 同じ場面でも職員によって見えている学びが違うことに気づく 60分
②10分間の遊び観察と記録の読み合わせ 「見る」と「記録する」を切り分け、観察の精度を上げる 60〜90分
③「この遊びのどこに学びがあるか」ワークシート演習 遊びの中の試行錯誤・協同・数量への気づきを言葉にする 45〜60分
④環境構成マップづくり(図面に遊びの動線を書き込む) 物の配置が遊びの深まりに与える影響を可視化する 90分
⑤声かけのビフォーアフター検討 指示的な声かけと問いかけを比較し、関わり方の幅を広げる 45分
⑥「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」と遊びを紐づける付箋ワーク 要領・指針の文言と日常の遊びを具体的に結びつける 90分
⑦ブロックや積み木など構成遊びの実演体験 職員自身が手を動かし、つまずきと達成の感覚を味わう 60〜90分
⑧保護者への伝え方(おたより文面)演習 「楽しそうでした」で終わらない記述の型を共有する 45〜60分

準備物の負担は①③⑤⑧が軽く、写真数枚とワークシート、筆記用具だけで成立します。④は保育室の図面コピー、⑦はブロックや積み木の実物が必要になるため、年度の中でも余裕のある時期に置くと進めやすくなります。

初めて実施する園向け:3回シリーズの組み立て

単発で終わらせず、段階を踏むと職員の理解が定着しやすくなります。初めての園には、次の3回構成をおすすめします。

  1. 1回目=観察:テーマ②で10分間の遊び観察を体験し、「事実」と「解釈」を分けて書く練習をする
  2. 2回目=言語化:テーマ③⑥で、観察した遊びを育ちの視点に結びつけ、言葉にして共有する
  3. 3回目=環境改善:テーマ④で保育室の環境を見直し、次月から変える点を1つだけ決める

最初の1回は「準備物が紙とペンだけで済むテーマ」から始めるのが続けるコツです。負担の大きい研修は一度で止まりやすく、軽いテーマを重ねたほうが職員の発言量は増えていきます。

なお、構成遊びの実演体験(⑦)は、保育園の課外教室導入を検討している園であれば、外部事業者の体験会と兼ねて実施する方法もあります。職員が実際にレゴ®ブロックなどを組み立ててみると、「できない」から「できた」までの過程で何が起きているかを体感しやすく、その後の記録や保護者への説明にも具体性が生まれます。テーマ選びに迷ったら、直近で職員から出た困りごと(記録が書けない、保護者に伝わらない等)に最も近いものから着手してください。

研修の進め方:90分の流れと、発言が出やすくなる場づくりの工夫

テーマが決まっても、当日の進め方が「講師役の説明を聞くだけ」になると、遊びを学びとして語る力は育ちにくくなります。園内研修は、職員自身が自分の言葉で子どもの姿を語る時間をどれだけ確保できるかが鍵になります。ここでは90分の標準形と、経験年数差があるなかで発言を引き出す工夫を整理します。

90分研修のタイムテーブル例

  1. 導入(10分)…今日のねらいと、終わったときにどうなっていたいかを共有する。評価の場ではないことを最初に明言する。
  2. インプット(15分)…「遊びの中の学びを読み取る視点」の枠組みを提示する。試行錯誤・やりとり・見立て・数量や形への気づきなど、観点を3〜5個に絞って提示すると迷いが減る。
  3. 個人ワーク(15分)…各自が持ち寄った写真や印象に残った場面を、事実と読み取りに分けて記述する。
  4. グループワーク(30分)…3〜4人で読み合わせ、「他にどんな学びが読み取れるか」を出し合う。
  5. 全体共有(15分)…各グループから1事例ずつ発表。司会は要約せず、発表者の言葉をそのまま板書する。
  6. 振り返り(5分)…明日から試すことを一人一文で書き出して終了する。

若手が発言しやすくなる場づくりの工夫

  • 「正解を当てる場ではない」とグラウンドルールとして最初に掲示する
  • 他者の読み取りを否定しない・遮らないことを明文化する
  • いきなり話させず、付箋に書いてから出す(書く時間が思考時間になる)
  • グループは経験年数を混合に編成し、発表役は持ち回りにする
  • 園長・主任は意見を言う側ではなくファシリテーターに徹する
  • 役職者が最初に発言しない(発言の順番を若手から回す)

園内研修の質は、話した時間ではなく「普段発言の少ない職員が何回話せたか」で測ると、改善点が見えやすくなります。

まとまった時間が取れない園は15分ミニ研修で

シフト勤務で全員を集めにくい園では、90分の研修を年に数回置きつつ、日常に小さな研修を埋め込む方法が現実的です。朝礼後や休憩時間に、写真1枚を見せて「この場面で何が育っていたと思うか」を2〜3人で話すだけでも、視点を共有する練習になります。午睡明けの活動など、保育者の目が届きやすい時間帯の場面を題材にすると、話が具体的になります。

形式 向いている場面 留意点
90分集合型 年数回・視点の枠組みを揃えたいとき 代替保育の体制確保が必要
15分ミニ研修 日常的に習慣化したいとき 題材を事前に1つ決めておく
クラス単位の小研修 年齢ごとの発達に即して深めたいとき 園全体への共有方法を決める

研修記録シートに残す項目

  • 実施日・時間・参加者(欠席者への共有方法も記載)
  • テーマとねらい
  • 取り上げた遊びの場面(事実の記述)
  • 出てきた読み取り・意見(発言はできるだけ原文のまま)
  • 明日から試すこと(個人の宣言)
  • 次回に持ち越す論点

記録は書式を固定しておくと、年度末に読み返したときに園の視点の変化が見え、次年度の研修計画を立てる材料になります。

かんたん診断外部講師の取り入れ方、わが園に合うのは?30秒でチェック

遊びの場面から学びを読み取る具体例:構成遊び・ごっこ遊び・自然遊び

園内研修で「遊びが学びになる視点」を共有するときに最も効果的なのは、抽象的な理論から入らず、日々の保育で実際に見ている場面を題材にすることです。ここでは研修の題材としてそのまま使える3つの遊びを取り上げます。それぞれ「子どもの姿」「読み取れる育ちの視点」「保育者の関わりの例」の3つに分けて整理しておくと、グループワークのワークシートとしても転用しやすくなります。

遊びの場面から学びを読み取る具体例:構成遊び・ごっこ遊び・自然遊びのイメージ

構成遊び(ブロック・積み木):作り直す行為そのものが思考

高く積もうとして崩れる、積み木で橋を架けようとして真ん中がたわむ——構成遊びでは、うまくいかない場面こそが見どころです。レゴ®ブロックや積み木を使った遊びでは、土台を広げる、短いパーツに替えるといった修正が繰り返されますが、この「作り直し」は失敗ではなく思考の過程そのものだと捉える視点を共有したいところです。

子どもの姿 読み取れる育ちの視点 保育者の関わりの例
崩れるたびに土台を作り直す 試行錯誤する力、原因と結果を結びつける見方が育まれるとされています 「どこから崩れたのかな」と一緒に振り返る
同じ長さのパーツを探して並べる 量や形、対称性の感覚につながると考えられています 比べている様子を言葉にして返す
「ぼくが屋根つくる」と分担する 役割の調整や協働する姿勢が育まれるとされています 分担が決まった経緯を認める声かけをする

研修では、ブロック遊びのねらいの立て方も参考にしながら、同じ作品でも年齢によって注目すべき点が変わることを確認すると理解が深まります。

ごっこ遊び:役割を引き受けることで広がることば

ごっこ遊びは、ことばとルールの育ちを読み取りやすい場面です。「お母さん役」を引き受けた子が普段使わない言い回しをする、役の取り合いになったときに順番や時間の約束を自分たちで作る——そうした姿に注目します。

子どもの姿 読み取れる育ちの視点 保育者の関わりの例
役になりきった言葉づかいをする 語彙や相手に合わせた話し方が育まれるとされています 遊びを止めず、役として言葉を返す
役の順番を自分たちで決める 交渉や折り合いをつける力につながると考えられています 決まるまで待ち、必要な時だけ整理役になる
積み木を携帯電話に見立てる イメージを共有する見立ての力が育まれるとされています 見立てに乗り、設定を広げる問いを添える

自然遊び・水遊び:観察し、予想して、確かめる

砂場の水路づくりや葉っぱ集めは、科学的な見方の芽が表れやすい場面です。「こっちに流したら速いかな」と予想し、実際に試して確かめる流れは、そのまま探究の手順になっています。

  • 観察…虫や葉の形をじっと見る、違いに気づいて言葉にする
  • 比較…大小・重さ・速さを並べて比べようとする
  • 予想と確かめ…「こうなると思う」と言ってから試す

保育者は答えを先に言わず、「どうなると思う?」と予想を引き出し、結果が違っても「そうなったね」と事実を一緒に確認する関わりが有効だとされています。

同じ場面でも、読み取り方はひとつに決まりません。研修では「正解当て」にせず、解釈の幅を出し合うことそのものを楽しむ設計にしてください。

一人が「協働」と読み、別の職員が「集中の持続」と読む。その違いを否定せずに並べて記録に残していくと、園全体の見る目が少しずつ厚みを増していきます。

外部講師を招く実演型研修・親子イベントという選択肢

園内研修は職員同士で学び合える一方、どうしても「普段の視点」から抜け出しにくい面があります。年に一度でも外部の講師を招き、実際の進行を見る・体験する機会をつくると、「遊びが学びになる視点」が言葉だけでなく実感として共有されやすくなると考えられています。外部活用には大きく3つの型があります。

①職員向け実演型研修

講師が子ども役・保育者役を立てて活動を実演し、職員自身が遊び手として体験する形です。声かけのタイミング、あえて手を出さない間の取り方など、文字の資料では伝わりにくい部分を体感できます。研修後に「どの場面に学びがあったか」を出し合えば、そのまま園の共通言語づくりにつながります。

②子どもへのレッスンを職員が参観する形

実際のクラスに講師が入り、職員は記録者として参観します。目の前の子どもの反応から学びを読み取る練習になり、担任以外の職員が普段と違う角度で子どもを見る機会にもなります。

③保護者参加の親子イベント

遊びが学びに変わる様子を保護者にも見てもらう形です。園の保育方針を言葉で説明するより伝わりやすく、家庭での関わり方の話題にもつながります。

型 主なメリット 向いている園
①職員向け実演型 職員全員が同じ体験を共有できる 職員間で視点の差を埋めたい園
②レッスン参観型 子どもの実際の反応から学べる 記録・読み取りの力を高めたい園
③親子イベント型 保護者の方針理解につながる 保育の特色を外に伝えたい園

導入までの手順

  1. 目的を明確にする(職員の学びか、保護者への発信か)
  2. 日程と対象(全職員・クラス単位・親子)を決める
  3. 会場の広さ、電源、机・床の使い方など機材面を確認する
  4. 当日の役割分担(進行補助・記録・写真・安全管理)を決める
  5. 事後に振り返りを文章化し、参加できなかった職員へ共有する

外部講師は「イベントを任せる相手」ではなく「園の視点を広げる相手」。目的を先に決めてから依頼すると、研修としての効果が整理しやすくなります。

出張レッスン「コトコレクション」の活用

株式会社SCCIP JAPANでは、レゴ®ブロックを活用したプログラミング・ロボティクスの施設向け出張プログラム「コトコレクション」を提供しています。講師が機材・教材を持参するため、園側で特別な設備を用意する必要はありません。毎月の継続クラスとしても、行事や親子イベントに合わせた単発開催としても実施できます。費用は継続クラス1回1万円〜、単発イベント1.5〜2.5万円〜が目安で、内容・地域により異なります。導入を検討する際は、保育園の課外教室の導入手順と事業者選定チェックリストもあわせて確認すると、検討の抜けを防ぎやすくなります。

研修を一度きりで終わらせない:年間計画への組み込みと振り返りの仕組み

園内研修が「あの日は面白かったね」で終わってしまう背景には、いくつか共通した原因があります。研修の内容が日々の書類や保育の流れとつながっていない、学んだ職員と参加できなかった職員の間に温度差が残る、次に同じテーマを扱うのが1年後になる——こうした状態では、せっかく共有した「遊びが学びになる視点」も薄れていきます。単発のイベントではなく、年間計画の中に位置づけて少しずつ積み上げる設計に切り替えることが近道です。

年間計画への組み込み例

年度の流れに合わせて、テーマを段階的に深めていく組み立てが扱いやすいでしょう。以下は4期に分けた一例です。

時期 研修テーマ ねらい
4〜5月 遊びと学びの視点の共有 新任を含め全職員で共通言語をつくり、語り方の土台をそろえる
6〜8月 環境構成の見直し 遊びが続く・広がる空間や教材配置を、実際の保育室で検討する
9〜11月 記録とドキュメンテーション 写真や言葉で子どもの姿を残し、学びを読み取る力を育てる
12〜2月 保護者への伝え方と1年の振り返り 園だより・懇談会での伝達方法を整理し、次年度の課題を洗い出す

日常業務に埋め込むための仕組み

研修を「特別な日」にしないためには、普段の書式や時間の使い方に小さく組み込むのが効果的だと考えられています。

  • 研修で出てきた言葉(例:試行錯誤、見立て、お友だちではなく「仲間と関わる姿」など具体的な表現)を、指導計画や週案の記入欄に反映する
  • 保育室や職員室に「今週の遊びの一コマ」の掲示コーナーを作り、写真1枚と短いコメントを持ち回りで貼る
  • 職員会議の冒頭5分を、印象に残った遊びの場面を1人が語る共有時間にあてる
  • 外部研修に参加した職員が、園内で伝達する役割をあらかじめ担当として決めておく
  • 非常勤・パート職員にも届くよう、要点を1枚にまとめた資料を配布する

あわせて、外部事業者を活用した課外教室の導入を検討している園では、その準備過程自体を研修テーマに組み込むこともできます。

振り返りと評価の考え方

継続化で迷いやすいのが評価の方法です。「研修実施回数」や「満足度の数値」だけを追うと形骸化しやすく、本来見たい変化を捉えきれません。

評価の軸は数値目標ではなく、職員が子どもの姿を語る言葉がどう変わったかに置く。「よく遊んでいました」から「どう試して、何に気づいたか」へ記述が変化していれば、視点は確実に共有されつつあります。

最後に、研修記録の保管と引き継ぎも忘れずに整えておきましょう。日時・テーマ・配布資料・出た意見・次回への宿題を1ファイルにまとめ、年度末に主任がまとめて次年度の担当へ渡す流れを決めておくと、担当者が替わっても積み重ねが途切れません。写真を使った記録は、保護者向けの掲示や園児募集の資料にも活かせます。

かんたん診断外部講師の取り入れ方、わが園に合うのは?30秒でチェック

まとめ:遊びを学びとして語れる園にするために

園内研修で「遊びが学びになる視点」を共有する目的は、職員一人ひとりに新しい知識を詰め込むことではなく、園として子どもの姿を語るための共通言語をつくることにあります。同じ遊びの場面を見て、同じ言葉で価値を語れるようになると、日々の記録も保護者への説明も、行事の企画も一本の筋が通っていきます。ここまでの内容を、実務で使える形に整理します。

この記事の要点5つ

  • 目的は共通言語づくり。正解を教える研修ではなく、職員同士が子どもの姿を語り合える土台をつくることを第一に置く。
  • テーマは負担の軽いものから。写真1枚のエピソード共有など、準備物が少なく当日の進行が読めるものから始めると継続しやすい。
  • 90分の型と15分ミニ研修を併用。年に数回の本格的な研修と、会議の冒頭に挟む短い振り返りを組み合わせる。
  • 抽象論ではなく具体の場面で語る。構成遊び・ごっこ遊び・自然遊びなど、実際の場面を素材にして読み取りを言語化する。
  • 外部の視点と年間計画で継続。外部講師の実演型研修や親子イベントを年間計画に位置づけ、振り返りまでセットで回す。

次の一歩の選び方

園の状況 おすすめの進め方
まず習慣化したい 会議冒頭の15分ミニ研修から着手し、写真エピソードを持ち寄る
職員の視点を広げたい 外部講師による実演型研修を年1〜2回、年間計画に組み込む
保護者にも伝えたい 親子参加型イベントを実施し、遊びの中の学びを一緒に体験してもらう

外部の力を借りる場合は、課外教室の導入手順と事業者選定のポイントも合わせて確認しておくと、依頼前の検討がスムーズになります。

遊びを学びとして語れる園は、保育の質を「見える形」で保護者と共有できる園でもあります。

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職員研修の素材づくりや、親子イベントの企画に悩む園には、レゴ®ブロックを活用した出張プログラム「コトコレクション」という選択肢があります。講師が機材・教材を持参してうかがうため、園側で教材をそろえる必要はありません。毎月の継続クラスとしても、行事に合わせた単発イベントとしても実施できます。費用の目安は継続クラス1回1万円〜、単発イベント1.5〜2.5万円〜で、内容や地域により異なります。

人数や年齢、保育室の広さ、当日の保育体制など、園の状況に合わせた内容をご相談いただけます。職員の学びの機会としてご検討の際も含め、まずはお気軽にお問い合わせください。

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