開所1年目は「柱を決める→週案に落とす→教材を購入する→振り返る」の4ステップで活動の型をつくります。柱は3〜5本に絞り、完璧な年間計画より来年度へ引き継げるたたき台づくりを目標にするとよいとされています。
この記事でわかること
- 型がないと準備の属人化や振り返りの比較が難しくなる理由
- 活動立ち上げの4ステップと各段階の完了の目安
- 変えない柱と差し替え可能な活動を分ける週案の組み立て方
- 教材購入の優先順位と記録・保護者共有を続ける工夫
児童発達支援事業所を開所したものの、「毎日の活動内容をどう決めればいいのか」「職員によって進め方がバラバラになってしまう」と感じている運営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。開所1年目は、人員配置や記録様式、保護者対応など整えるべきことが同時に押し寄せ、活動プログラムの検討が後回しになりがちです。しかし活動の型が定まらないまま時間が経つと、職員の準備負担が毎週ふりだしに戻り、支援の振り返りもしづらくなります。
この記事では、児童発達支援の開所1年目に「活動の型」をつくるための手順を、活動の柱を決める段階から週案の組み立て、教材購入、振り返りまで順を追って整理します。あわせて、月1回だけ外部プログラムを取り入れて職員の準備負担を分散する選択肢や、記録・保護者共有の工夫も紹介します。なお、指定基準・報酬・加算などの制度面は改定があるため、本記事では具体的な数値には触れず、必ず自治体窓口や厚生労働省・こども家庭庁の公的資料でご確認いただく前提でまとめています。
開所1年目に「活動の型」をつくるべき理由
児童発達支援事業所の開所1年目は、指定申請後の書類整備、職員の採用と育成、利用契約や保護者対応、関係機関とのやりとりが一気に重なります。その結果、肝心の「毎日の活動をどう組み立てるか」が後回しになり、現場で手が空いた職員の経験や得意分野に頼って内容が決まっていく、という状況が生まれやすくなります。開所から数か月は走り切れても、半年、1年と続くうちに準備の負担が一部の職員へ集中していく——そんな不安を抱える運営者の方もいるのではないでしょうか。
型がないまま進むと起きやすい4つの課題
- 毎週の準備が属人化する:特定の職員が休むと活動内容が決まらない、代替が用意できない
- 職員間で進め方が揃わない:同じ活動名でも導入の言葉かけや終わり方がバラバラになり、子どもが見通しを持ちにくい
- 振り返りの比較ができない:毎回内容が違うため「前回と比べてどうだったか」を検討する材料が残らない
- 保護者への説明が感覚的になる:「楽しそうでした」以上の説明が難しく、個別支援計画のねらいとの結びつきを言葉にしづらい
「型」があると何が変わるか
活動の型が共有されていると、同じ時間を使っても得られる情報量と再現性が変わります。下の表は、型がない場合とある場合の違いを場面別に整理したものです。
| 場面 | 型がない状態 | 型がある状態 |
|---|---|---|
| 週の準備 | 毎回ゼロから内容を考える | 柱に沿って活動を差し替えるだけで済む |
| 新任職員の受け入れ | 見て覚える/口頭での引き継ぎ | 流れと配慮点を文書で渡せる |
| 個別支援計画との紐づけ | 活動後に後付けで理由を探す | 柱ごとにねらいが対応し記録が書きやすい |
| 保護者への共有 | その日の印象に頼った説明 | 継続した変化を具体的に伝えられる |
型=固定の時間割ではない
ここでいう「型」は、分刻みの固定時間割を指すものではありません。児童発達支援は一人ひとりの発達段階や特性に合わせた支援が前提であり、きっちり決めすぎた枠は逆に現場を苦しくします。型とは、「変えない柱」と「差し替え可能な活動の組み合わせ」のことです。
- 変えない柱:始まりの挨拶と見通しの提示、主活動のねらいのカテゴリ(からだ・手指・ことば/やりとり・あそびの発展など)、終わりの振り返りと片づけ
- 差し替え可能な部分:主活動の具体的な教材や題材、季節の要素、小集団か個別かの編成
柱が固定されていれば、活動の中身を入れ替えても子どもは流れを予測でき、職員も記録の観点をそろえられます。発達段階に合わせた遊びの選び方を押さえたうえで、柱に当てはめていくと組み立てやすくなります。
1年目のゴールは完璧な年間計画をつくることではなく、来年度に引き継げる“たたき台”をつくることです。
最後に一点。児童発達支援は障害福祉サービスであり、指定基準・人員配置・報酬区分や加算の要件は改定が行われます。活動の型を設計する際にかかわる要件については、必ず自治体の障害福祉担当窓口や厚生労働省・こども家庭庁が公開する公的資料で最新の内容を確認してください。本記事で扱うのは、制度要件を満たしたうえで現場の運営を楽にするための活動設計の考え方です。
児童発達支援の活動、最初の一歩は?
3つの質問に答えるだけで、外部プログラムの取り入れ方のタイプがわかります。(約30秒)
質問 1 / 3
活動の型づくりは今どの段階ですか
当てはまる方を選んでください
質問 2 / 3
職員の準備負担で気になる点は
当てはまる方を選んでください
質問 3 / 3
保護者や職員への説明で重視するのは
当てはまる方を選んでください
診断結果:単発イベントで試す進め方がおすすめです
まずは月1回の特別活動枠に単発イベントを入れ、職員の動きや子どもの反応を確かめる進め方が合いそうです。単発イベントは1.5〜2.5万円〜が目安です(内容・人数により異なります)。1回分なら準備や記録の様式も試しやすく、続けるかどうかを現場の手応えで判断できます。報酬や加算の扱いは、所管の自治体や公的資料でご確認ください。
診断結果:継続クラスで型に組み込む進め方がおすすめです
柱に沿った固定枠として継続クラスを組み込み、同じ流れを繰り返しながら記録を積み上げる進め方が合いそうです。継続クラスは1回1万円〜が目安です(内容・回数により異なります)。回を重ねるほど職員の準備も型になり、保護者へ伝える材料も残しやすくなります。報酬や加算の扱いは、所管の自治体や公的資料でご確認ください。
ステップ1〜4で進める活動立ち上げの手順
開所1年目は、日々の運営を回しながら活動内容を組み立てる必要があります。あれもこれもと手を広げると職員の準備負担が膨らみ、続かない活動が増えてしまいます。ここでは「柱を決める→週案に落とす→教材を買う→振り返る」という4つのステップで、無理なく型をつくる進め方を整理します。

- 活動の柱を決める:事業所の方針、利用児の年齢層と特性、使える部屋の広さや1コマの時間から、柱を3〜5本程度に絞ります。例として「からだを動かす活動」「手指を使うつくる活動」「ことば・やりとりの活動」「生活動作・片づけの活動」「季節行事」のような分け方があります。つまずきやすい点:柱を6本以上にすると準備が分散し、どれも深まらないまま1年が終わりやすくなります。
- 週案に落とす:曜日ごとに柱を割り当て、毎週必ず行う「固定の枠」と、天候や人数で入れ替える「差し替え枠」を分けます。1コマの流れは「はじまりの会→主活動→片づけ→振り返り」のように定型化し、それぞれの所要時間の目安を決めておきます。つまずきやすい点:主活動の時間だけを決めて切り替えの時間を見ていないと、毎回終わりが押して片づけが雑になります。
- 教材を購入する:柱ごとに必要な教材を洗い出し、まずは少数を複数回使う前提で選びます。消耗品(画用紙・のり・季節の製作材料など)と、長く使う教材(ブロック、バランス遊具、カード類など)を分けて予算化すると、年度途中の資金繰りが読みやすくなります。つまずきやすい点:開所前にまとめ買いすると、実際の利用児の様子と合わず使われない教材が出ます。ねらい別の教材の工夫を参考に、少量から試すのが安全です。
- 振り返りと改善を回す:毎回の簡易記録(1行メモで可)→月次で職員間の共有→四半期で週案そのものを見直す、という三段階にします。つまずきやすい点:記録を「書くこと」が目的化すると続きません。項目を絞り、次回の判断に使える情報だけを残します。
各ステップの作業と完了の目安
どこまでやれば次に進んでよいかを、あらかじめ決めておくと迷いが減ります。
| ステップ | 主な作業 | 完了の目安 |
|---|---|---|
| ①柱を決める | 方針・利用児像・環境の確認、柱の絞り込み | 柱が3〜5本、紙1枚に書き出せている |
| ②週案に落とす | 曜日への割り当て、固定枠と差し替え枠の区分、1コマの流れの定型化 | 1週間分の週案と時間配分が職員全員に共有済み |
| ③教材を購入する | 柱ごとの教材リスト化、消耗品と常備教材の切り分け、優先順位づけ | 最初の3か月で使う教材がそろい、保管場所が決まっている |
| ④振り返りと改善 | 簡易記録の様式決定、月次共有の場の設定、四半期での見直し | 記録様式が定着し、月1回の共有が実施できている |
進めるときのチェックポイント
- 柱ごとに「このねらいに向けた活動」と一文で説明できるか
- 職員が1人で回す日でも実施できる活動が各柱に1つあるか
- 準備5分でできる差し替えメニューを週案に添えているか
- 教材の置き場所と片づけ方を子どもが分かる形で示しているか
1年目は「種類を増やす」より「同じ活動を繰り返して質を上げる」ことを優先すると、職員にも子どもにも流れが定着しやすくなります。
4つのステップは一度で完成させる必要はありません。開所から3か月は仮運用と考え、四半期ごとに週案を更新していくことで、年度末には来年度へ引き継げる形が残ります。
活動の柱の立て方と週案への落とし込み方
開所1年目は、毎回ゼロから活動を考えると職員の負担が一気に膨らみます。まず決めたいのは「週のどこに、どんな性質の活動を置くか」という柱です。柱が決まれば、中身は季節や利用児の様子に応じて差し替えるだけで済みます。
柱を決めるときに見る判断材料
- 利用児の年齢幅(未就学中心か、就学児も含むか)
- 集団活動が中心か、個別対応を多く取る必要があるか
- 送迎時間・入退室のばらつき(全員がそろう時間帯はどこか)
- 職員の得意分野(音楽・運動・造形・ことばの遊びなど)
- 使えるスペースの広さと、動的な活動が可能な時間帯
特に「全員がそろう時間」は重要で、ここに集団活動の柱を置き、前後の時間は自由遊びや個別課題に充てる構成が運用しやすくなります。発達段階に合わせた遊びの組み立ても合わせて検討しておくと、柱の中身を決めやすくなります。
年齢・発達段階による組み立ての目安
| おおよその対象 | 活動の組み立て方の例 | 配慮したい点 |
|---|---|---|
| 未就学の低年齢 | 5〜10分の短い活動を複数つなげる。手遊び・感触遊び・簡単な見立て遊びなど、始まりと終わりがはっきりわかる流れにすると見通しを持ちやすいとされています | 集中の持続時間に個人差が大きい。途中離席を前提に動線を確保する |
| 就学前(年中〜年長) | 導入→本活動→片づけ・振り返りの三部構成。順番を待つ、役割を分けるなど小集団での関わりを含めると、やりとりの機会をつくりやすいとされています | 勝ち負けや完成度の差が出る活動は、ルールの提示を丁寧に |
| 就学以降 | 1回30分程度のまとまった活動や、数回かけて取り組む制作・プログラミングなど継続型を取り入れやすい | 学校後の疲労度に配慮し、静的な活動も選べるようにする |
週案テンプレートは3つの枠で考える
週案は、次の3つの枠を最初から用意しておくと運用が安定します。
- 曜日固定の柱…月=運動遊び、水=造形、金=ことば・ルール遊び、のように性質で固定する
- 月1回の特別活動枠…季節行事、親子参加、外部プログラムなどを入れる余白
- 予備活動…雨天・人数変動・職員欠員時に差し替える室内活動を2〜3本常備する
予備活動を「準備なしで今日できるもの」として用意しておくと、1年目の突発対応で崩れにくくなります。
準備時間を見積もって週案に書き込む
活動名だけを書いた週案は、現場で破綻しがちです。各活動の横に準備にかかる時間の目安を書き込み、負荷の偏りを目で確認できるようにします。
- 準備15分程度…既製教材を並べる、ブロック遊び、手遊び・絵本
- 準備30分程度…画用紙の裁断、見本づくりが必要な制作
- 準備1時間程度…大型制作、行事、素材の買い出しを伴う活動
1時間かかる活動を同じ週に2つ以上入れないこと、前日に準備が必要な活動は連続させないことを目安にすると、職員の残業が読みやすくなります。
あわせて週案のメモ欄に、個別支援計画の目標と活動の対応づけを一言だけ残しておきます。「○○くん:順番を待つ/ルール遊びで確認」のように書いておけば、その日の記録を書くときに観察の視点が決まり、記録作成の時間短縮にもつながります。1年目はこの対応づけの蓄積が、そのまま来年度の計画の根拠になります。
かんたん診断児童発達支援の活動、最初の一歩は?30秒でチェック
教材の選び方・買い方と1年目の予算の考え方
開所準備の時期は、カタログや教材サイトを見ながら「これも必要かもしれない」とまとめ買いをしたくなるタイミングです。ただ実際には、購入したものの出番がないまま倉庫に眠る教材が出てくることも珍しくありません。1年目は品数を増やすより、柱ごとに1〜2種類を選び、繰り返し使いながら遊び方を広げる方が、職員の習熟も進み、子どもにとっても見通しが立ちやすくなります。

教材のタイプ別に考え方を整理する
まずは教材を大きく4つのタイプに分け、それぞれ何を基準に選ぶかを決めておくと、買い物の判断がぶれません。
| 教材のタイプ | 特徴 | 選ぶときの視点 |
|---|---|---|
| 消耗品系(紙・のり・絵の具など) | 毎回使い切るため補充が前提。単価は低いが積み上がる | 月あたりの使用量を把握し、定番品を決めて継続購入できるか |
| くり返し使う構成遊び・ブロック系 | 初期費用はかかるが長く使える。難易度を変えやすい | 複数の発達段階で使えるか、追加パーツで拡張できるか |
| からだを動かす用具(マット・バランス用具など) | 場所を取るが活動の幅が広い。安全管理が必要 | 室内の広さに合うか、収納と出し入れの手間が許容範囲か |
| デジタル・タブレット系 | 準備が簡便な一方、職員の操作習熟と管理ルールが要る | 使用時間や対象のルールを決められるか、更新費用の有無 |
タイプごとに「毎月出ていくお金」と「一度買えば数年使うお金」を分けて考えると、年度予算が立てやすくなります。
購入前のチェックリスト
- 複数の発達段階で使い回せるか(難易度を上げ下げできるか)
- 片づけと数の管理がしやすいか(個数が数えやすい形状か)
- 破損・紛失時に部分補充ができるか
- 安全面と誤飲サイズへの配慮(対象年齢の表示を確認する)
- 消毒・清掃がしやすい素材か
- 決めた収納場所に無理なく収まるか
「買えるか」ではなく「毎週出して片づけ続けられるか」で判断すると、1年目の教材は大きく外しません。
四半期ごとに分けて買う
年度当初に予算を使い切らず、四半期ごとに配分しておくと、実際の使用状況を見てから追加できます。
- 第1四半期:柱ごとに1〜2種類+消耗品の定番品を揃える
- 第2四半期:使用頻度が低かった教材を記録で洗い出し、追加購入を保留する
- 第3四半期:よく使う教材の数量補充・拡張パーツを優先する
- 第4四半期:次年度に残す教材リストを作り、不足分だけを補う
振り返りの材料としては、ねらい別の教材の工夫を参考に、同じ教材で別のねらいに使えないかを検討するのも有効です。レゴ®ブロックのように年齢幅を持たせやすい教材は、同じ用具のまま「並べる・積む・見本を再現する・自由に作る」と難易度を変えられるため、利用児の幅が広い事業所では運営上扱いやすい選択肢のひとつです。
なお、備品購入に関する補助制度や助成の有無は自治体によって異なります。対象経費や申請時期も変わるため、購入計画を固める前に、指定権者や自治体の障害福祉担当窓口など公的な窓口で確認することをおすすめします。
職員の準備負担を分散する工夫と外部プログラムの活用
開所1年目に最も折れやすいのは、活動のアイデアそのものよりも準備にかかる時間です。送迎、記録、個別支援計画の作成、保護者対応が重なる時期に、毎回ゼロから教材を用意するやり方を続けると、数か月で活動の質にばらつきが出てきます。1年目は「準備が軽くても成立する形」に整えることを優先したいところです。
内製でできる負担軽減の工夫
- 準備物リストの雛形化:活動名・必要物品・人数分の数量を1枚にまとめ、同じ書式で蓄積する
- 進行台本を1枚にまとめる:導入の声かけ、活動の流れ、終わりの合図まで箇条書きで書き出し、誰が入っても同じ流れで進められるようにする
- 写真つき活動カードをストックする:実施した活動を写真1枚+ねらい+準備物で記録し、次年度の引き出しにする
- 同じ活動を月をまたいで再利用する:難易度や素材を少し変えるだけで繰り返し使える活動を「定番」として残す
- 準備時間をシフトに明示的に組み込む:空き時間でやる前提にせず、週のどこかに準備枠を確保する
1年目の目標は「新しい活動を増やすこと」ではなく、「準備が軽くても回る定番を10個つくること」です。
月1回だけ外部プログラムを入れるという選択肢
すべてを内製でまかなう必要はありません。たとえば月1回だけ外部の専門プログラムを入れると、その回は職員が教材準備をしなくてよい日になり、記録整理や会議の時間に充てられます。年間の活動にも変化が生まれ、保護者への説明材料にもなります。
| 外部活用のメリット | 検討したいデメリット |
|---|---|
| その回の準備・教材手配が不要になる | 費用が発生し、予算計上が必要 |
| 職員だけでは用意しにくい体験を提供できる | 日程が外部側の都合に左右されることがある |
| 職員が子どもの様子を観察する側に回れる | 子どもの特性の事前共有に手間がかかる |
| 年間計画にメリハリと季節感が出る | 内製のノウハウが蓄積しにくい面がある |
出張レッスン「コトコレクション」の活用
株式会社SCCIP JAPANでは、施設向けの出張レッスン「コトコレクション」を提供しています。レゴ®ブロックを使ったプログラミング・ものづくりの活動で、講師が機材・教材を持参するため、事業所側で特別な備品をそろえる必要はありません。毎月の継続クラスとしても、長期休みや行事に合わせた単発イベントとしても組み立てられます。費用の目安は継続クラスが1回1万円〜、単発イベントが1.5〜2.5万円〜で、内容・人数・地域により異なります。
導入を検討する際は、問い合わせの段階で次の点をそろえて相談するとやりとりがスムーズです。
- 活動に使える時間(開始・終了時刻と、前後の切り替え時間)
- 参加予定の人数と年齢・学年の幅、定員の上限
- 活動スペースの広さ、机・椅子・電源・プロジェクターの有無
- 見通しが持ちにくい子や感覚の過敏がある子への配慮を相談できるか
- 当日の職員の立ち位置(補助に入るのか、記録に回るのか)
外部プログラムを入れる日は、職員が一歩引いて子どもの反応を観察できる貴重な機会でもあります。気づいた様子は活動記録の書き方の工夫と合わせて残しておくと、次の支援や活動設計に生きてきます。
記録・振り返り・保護者共有を回す仕組み
開所1年目の活動は「やりっぱなし」になりやすく、半年経つと何をどう変えたのか誰も説明できない状態に陥りがちです。記録と振り返りを日次・月次・四半期の3層に分けておくと、負担を増やさずに活動の経過が残り、次年度の計画を立てる材料になります。重要なのは、層ごとに「見るもの」と「残す形」をあらかじめ決めておくことです。
3層の振り返りサイクル
| 頻度 | 見るもの | 残す形 |
|---|---|---|
| 日次 | 参加の様子、座席・音・提示順などの環境調整の結果 | 活動記録に一言メモ(選択式+自由記入1行) |
| 月次 | 職員間での活動の手応え、流れが止まった場面、差し替えの要否 | 月1回の短時間ミーティング議事メモ(A4半分) |
| 四半期 | 週案そのものの構成、柱のバランス、教材の過不足 | 週案の改訂版と教材の追加購入リスト |
日次は「気づきを拾う」、月次は「差し替えを決める」、四半期は「型を直す」と役割を分けます。毎日すべてを振り返ろうとすると続かないため、判断の重い作業ほど間隔を空けるのがコツです。
記録を軽くする書き方の工夫
- 観察項目をあらかじめ決め、「自分から着席/声かけで着席/別の場所で参加」のように選択式にする
- 写真は1活動につき1枚だけ残すと決め、撮影と整理の時間を固定する(撮影・使用の同意範囲は事前に確認)
- 長文を書かず、事実と対応を分けて書く(例:「音が大きい場面で退室→別室で続きを実施」)
- 解釈や評価の言葉を無理に足さず、見えたことをそのまま残す
- 様式はできるだけ一つにまとめ、転記作業を増やさない
記録は支援の効果を証明するためのものではなく、子どもの様子が形として残り、次の計画を立てる材料になるものと捉えると、書く負担が軽くなります。
書き方のさらに細かい工夫は活動記録の書き方と観察の工夫も参考にしながら、自事業所の様式に合わせて調整してください。
保護者への共有は「ねらい」を添える
保護者へのお便りや連絡帳では、何をしたかだけでなく、その活動が何をねらったものかを平易な言葉で一言添えると伝わりやすくなります。「順番を決めて進める場面をつくりました」「手先を使う工程を少し長めにしました」といった表現で十分です。専門用語を並べるより、家庭での様子と結びつけやすい言葉のほうが会話が生まれます。
- 活動名+ねらい1行+様子1〜2行を基本の型にする
- できた・できないの評価ではなく、取り組み方の様子を伝える
- 写真を使う場合は、掲載範囲について事前の同意を確認しておく
また、個別支援計画の見直し時期には、日々の活動記録が面談時の具体的な話題として役立ちます。月次・四半期のメモがあれば、半年間の変化を時系列で説明しやすくなり、保護者からの要望を次の週案に反映する手順も整理しやすくなります。
なお、記録の保存期間や様式、個別支援計画に関する手続きなど制度上の記録要件は自治体によって運用が異なります。ここで挙げたのはあくまで実務上の工夫であり、必ず所管自治体の要綱や公的資料で確認したうえで、自事業所の様式に落とし込んでください。1年目のうちに「誰が・いつ・どこに書くか」を決めておくことが、次年度に引き継げる型になります。
かんたん診断児童発達支援の活動、最初の一歩は?30秒でチェック
まとめ:1年目は「来年度に渡せる型」をつくる
児童発達支援の開所1年目は、利用契約・職員体制・記録様式など、活動以外の業務も同時に走ります。だからこそ活動づくりは「毎回ゼロから考える」のではなく、繰り返し使える型に落とし込んでおくことが、職員の負担を抑える近道になると考えられています。ここまで解説した流れを、あらためて4つのステップで整理します。
立ち上げの4ステップおさらい
- 活動の柱を決める:事業所の方針と子どもの発達段階をふまえ、3〜5本程度に絞る
- 週案に落とし込む:曜日ごとに柱を割り当て、静と動、個別と集団のバランスを固定する
- 教材を計画的に買う:年度初めに全部そろえず、四半期ごとに追加する前提で予算を組む
- 振り返りを回す:記録と職員の気づきを集め、学期ごとに週案を更新する
1年目に「優先すること・後回しでよいこと」
| 項目 | 1年目の考え方 |
|---|---|
| 活動の種類の多さ | 後回しでよい。まず少数の柱を安定して回す |
| 週案・ねらいの記録 | 最優先。次年度に引き継げる形で残す |
| 教材の数量 | 段階的に追加。使用頻度を見てから買い足す |
| 保護者への共有方法 | 早めに型を固定(写真・一言コメントなど) |
| 行事・イベント | 年2〜3回程度から。無理に増やさない |
1年目のゴールは「完璧な活動」ではなく、来年度の職員が読めば再現できる記録と型を残すことです。
制度面は必ず公的資料で確認を
児童発達支援は障害福祉サービスであり、人員・設備の基準や報酬、加算の要件は制度改正によって変わります。本記事は活動づくりの実務を中心にまとめたものですので、指定基準や報酬・加算に関わる判断は、必ず自治体の障害福祉担当窓口や厚生労働省・こども家庭庁の公表資料など、公的な一次情報で最新の内容を確認してください。活動の工夫は、ねらい別の教材アイデアもあわせて参考になります。
準備負担を抑えて活動の幅を広げたいとき
職員の手が足りず、新しい活動まで用意しきれない時期には、外部プログラムを部分的に組み込む選択肢もあります。株式会社SCCIP JAPANの施設向け出張レッスン「コトコレクション」では、レゴ®ブロックを使ったプログラミング活動を、講師が機材・教材を持参して実施します。継続クラスとして週案に組み込む形でも、単発イベントとして年間の変化をつける形でも対応できます。
| 形式 | 料金の目安 |
|---|---|
| 継続クラス | 1回1万円〜 |
| 単発イベント | 1.5〜2.5万円〜 |
※料金は目安であり、内容・人数・地域などにより異なります。
「この曜日のこの時間帯で検討したい」「参加人数は◯名、スペースはこのくらい」といった条件が分かると、実施可能な形をご提案しやすくなります。まずは活動時間・人数・スペースの条件をお知らせのうえ、体験会やプログラム内容の相談とあわせてお気軽にお問い合わせください。開所1年目の活動の柱づくりから、一緒に検討させていただきます。
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